トラブル・ガール
玉姫は定理者になる前、パラドクスシックの専門医を志していた。
そんな彼女のロジックに共鳴する新たな盟約者として選ばれたのが──キュア119だ。
キュアはセプトピア各地の被害を食い止めるために、主に民間人救護の遠征部隊としてトリトミーからALCAに派遣された、トリトミーの武装メカナース。
戦地での救命任務を目的として開発されており、あらゆる医療器具はもちろんのこと、
有事の際に患者を護衛するための武器も完備されている。
玉姫とキュアの盟約は自他ともに認める最高の相性──のはずだった。
その日、戦地で苦しむパラドクスシック患者を救うために、玉姫とキュアは現場に駆けつけていた。
「キュア! 合体よ!」
『はい! 皆さんのお役に立つのです!』
そう言って玉姫に近づこうとした瞬間、地面につまづいてしまうキュア。
おもわず玉姫の胸に手をついて身体を支えた。
「ちょっと! どこ触ってるの!?」
『ご、ごめんなさいなのです……! 足元の地形を計算に入れてなかったのです!』
キュアの足元は、何の変哲もない平らな地面だ……。
玉姫はそれ以上突っ込むことはやめ、気を取り直して合体。被害者の救護活動にあたった。
持ち前の医学知識でキュアの医療器具を的確に使いこなし、患者を助けていく。
『やっぱり玉姫さんはすごいのです! とっても勉強になるのです!』
人間にもかかわらず的確な治療行為を施す玉姫は、キュアにとっての憧れであり目標とする存在だった。
玉姫に絶対的な信頼を寄せ、慕っていた。
玉姫はそんなキュアを愛おしく思っていた。
おっちょこちょいなところはあるものの、
失敗しても決してめげずに前向きなのがキュアの良いところだったからだ。
そんな時、新たな使者襲来の一報が舞い込んだ。
玉姫とキュアは緊急対応のため、現場へと向かい、直ちに合体。暴れる使者と相対する。
今度こそ役に立ちたいと考えたキュアは、自身の特殊装備・透視光線によって使者の弱点を見破ることを提案。
さすがはメカナースだけあって瞬時の判断力は早い。
「お願い! キュア!」
ところがキュアは使者に狙いを定める前に透視光線を発し、
誤って玉姫自身に当ててしまう。
合体時のコスチュームだったピンク色のナース服が徐々に透け、
玉姫の裸体が露わになっていく。
「キュア! どこ狙ってるの!」
『はわわ! またやってしまったのです! ご、ごめんなさいなのです……!』
玉姫は呆れつつも、一刻を争う事態だったため、そのままの姿で戦いに身を投じるしかなかった。
また一人、手のかかる妹が増えたかな──。
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