キャラクター&ストーリー

  •  剣 美親
  •  揺音 玉姫
  •  クロエ・マクスウェル
  •  五六八 葵
  •  揺音 聖那
  •  アシュリー・ブラッドベリ
  •  ジークハルト・クラウス
  •  当麻芽路子
  •  明日葉 学
  •  オルガ・ブレイクチャイルド
  •  七星 縁
  •  ヴェロニカ・アナンコ
  •  ジゼル・サンダース
  •  ニーナ・アレクサンドロヴナ
  •  リオネス・エリストラートヴァ
  •  京橋万博
  •  橘 弥生
  •  森ヶ谷 夕子
  •  小湊くらら
剣 美親
剣 美親つるぎ よしちか
性別 男性
年齢 -
身長/cm 175
体重/kg 62
血液型 O型
生年月日 4月29日
好きなもの トレーニング
嫌いなもの 命を粗末にすること

天才的な戦闘センスを持つ少年。
どんな小さな命も決して見捨てず、時には敵すらも守ることも。
己の犠牲すらも厭わない強い意志を持つ。

ALCAホンコン支局に所属し、
ジスフィアの強力な使者『羅刹』と共にホンコンの平和を守っていた。
が、最終決戦における命がけの戦いの中、禁断とされていたオーバートランスを実行。街を救ったものの『逆理病(パラドクスシック)』に冒され、
『定理者としての資質』を失ってしまう……。

盟約者フォーリナー

  • アテナ

    アテナ

    テトラヘヴンからやってきた、「知恵と戦略の女神」。
    テトラヘヴンの魔神たちがセプトピアへのゲートを開いたことを知り、他の女神たちと共にその後を追ってやってきた。
    正義感と、尊い命が失われるのを何よりも嫌う心の優しさを持つ女性。

    トランス!

     剣 美親 & アテナ

    剣 美親 & アテナ

    「剣美親のこと、ねぇ・・・」
    「ヨシチカのこと? あのねあのね!」
    「あー、ちょっとお前はおとなしくしてくれるか。
    じゃあ、私から話そう」
    「えー ずっるーい」
    ホンコン支局の支局長に就任したばかりのを青年、アーロン・ラウは、隣に同年代の女性を従えながらゆっくり話し始めた。
    「剣美親という奴は― そうだな、眩しかったな」

    親の仕事の都合で、当時ホンコンに住んでいた日本人の少年、剣美親。
    彼が定理者としての素質を「発見」され強制招集を受けたのは、13歳の時だった。
    当時ホンコンでは、各地で頻発するジスフィアの悪しき妖怪・悪霊たちの襲来に頭を悩ませており、対抗し市民を守るための戦力は喉から手が出るほど欲しかった。

    「溌溂とした、元気のいい奴だった。
    いつも話すとき、相手を真っ直ぐに見る。その真っ直ぐさを良く覚えている」
    「しかもスッゴク可愛かったのヨー
    女の子、特に年上の女子にモテたよねー。
    天然のタラシってやつー!」
    「お前もう黙れ」

    有無を言わさぬ強制招集の上、少年には過酷なトレーニングの日々。
    それを持前のタフさ、そして正義感で乗り越えた剣美親。
    そんな彼が、最初に盟約した相手。
    それが、ジスフィアから来た女サムライ、緋華だった。

    『剣美親の事か… ふふ、懐かしいな』

    異世界ジスフィアには、一応世界の中を統治する政治機構があり、若干官僚的とはいえ、人を、民を守る意思がある。またセプトピアにあふれた悪霊たちは、彼らが最も大事にするロジックである「輪廻」から外れた者たちだ。ジスフィアの者たちからしても退治は急務であり、多くの戦士たちが派遣されてきた。
    緋華もその一人である。

    『そう、あいつと最初に合体したのは私だよ』

    そう語る彼女の目は、懐かしそうに細められていた。

    『当時私は、魑魅魍魎どもを退治るよう上から下知されてな。
    これでも一所懸命、お役目を果たそうと気張っていたのサ。
    そしたら引き合わされたのがあの小僧だろう?
    面食らったねぇ。
    最初は、あんまり易々と合体の事を語るもんだからさ、睨みつけてやったんだよね。
    こう、目力こめてさぁ』

    なるほど、女サムライの眼光は、普通の人ならそれだけで震え上がりそうなほど、怖い。

    『にも拘らず、まっすぐ目を逸らさずに言うものサ。
    「俺はこの街を守りたい……子供たちの夢を守りたいんです!」
    ってね。自分もガキだろうに、良く言ったもんだ・・・
    だけどまあ、
    「緋華さん。あなたは俺のロジックを受け入れてもらえますか?」
    そう言われたときには、もうこっちが飲まれていたね』

    『ふふっ だからね、あの小僧に合体のいろは、を教えてやったのは私って事にならぁね』

    そう語る表情は、今度はいたずらっぽく笑みを浮かべていた。

    『で、なんだい。今そんな事になってんのかい。難儀だねぇ……
    ま、でも何とかするだろうよ。大丈夫、そういう“相”をしている』

    その後、美親と緋華のペアはホンコンの治安維持に尽力。
    さらに美親の飽くなき向上心とたゆまぬ努力は、ジスフィアに名高い剣鬼・羅刹までも降すことに成功する。

    『済まない、口下手でな。あまり話すのは得意じゃない』

    羅刹は、己の剣を磨くため、闘争とその相手を求め、モノリウムからセプトピアに侵入した獣人たちを狙ってやってきた。その前に立ちふさがったのが、美親である。

    『我は格上と認めた者しか相手にせぬ。
    だが美親は、刀を抜いて我の前に立った。
    軽くあしらうつもりであったが―』

    目を閉じた羅刹の表情は、あの時の事を思い出している様だった。

    『始めは相手になぞしなかった―
    サムライの技を多少は使えるようだったが、まだまだ児戯。
    刃を見せるまでも無かったが、ふふ、しつこい小僧だった』

    羅刹があくまで武芸者としての仁義にこだわり、格下の命を奪う気が無かったのが幸いしたのか。彼がトランスジャックして現れるたび、その前に美親は立った。
    倒されても、倒されても、ケガを負っても気絶しても、食い下がった。

    『そして遂に― 我は負けた』

    羅刹に追いつかんと急速に成長した美親は、ついに羅刹を倒すことに成功する。
    『斬れ』と言う羅刹を、美親は生かした。
    それは美親自身の不殺の信念ゆえでもあったが―
    もしかしたら、美親も羅刹に剣の師としての姿を見ていたのかもしれない。

    その後、羅刹も美親と盟約を結び、さらに活躍を広げていくことになる。
    ホンコン支局定理者チームのエースとして、その名が知れ渡ったころ、あの事件が起きた。
    ジスフィアから侵入した強力無比な妖怪・鬼夜叉を退治するため。
    そして、同じくセプトピアに侵入しながらも、鬼夜叉の鬼気に巻き込まれ死に瀕していた小妖怪の命を守るため。
    二人は、禁断のオーバートランスを実行したのだ。

    『後悔はない―
    あの時、美親も我も、鍛えた刃の使いどころを得たのだから』

    オーバートランスの後遺症で美親は「合体のロジック」を喪い合体ができなくなった。
    そして羅刹は、「剣術のロジック」を喪い、人生を賭けた全てを失った。しかし。

    『彷徨の果て、我はまた新たな剣術を一から学び会得した。
    美親にも伝えるがいい。いずれまた手合わせを、と』

    『ふふっ 楽しいお話が、たくさん聞けました!』
    白いワンピースに白い帽子。編み上げた金色の髪が映える。
    そう言って彼女は、寄り添う青年の顔を見上げた。
    『美親はどうでした?』
    「やっぱり・・・少し恥ずかしいな」
    『それは良い事です! 恥ずかしいのは自分の事だ、って思えているからです』

    喪った「合体のロジック」を見つけたのが、傍らに立つ女性、アテナ。
    彼女はテトラヘヴンから派遣されてきた使者であり、その正体は正義と勝利を司る女神であった。
    アテナと出会った美親は、ロジックを回復し、彼女と盟約を結ぶ。
    そして再び、人々を守る戦いに挑んだ。
    彼らが挑んだナイエン区の使者襲来事件。
    その背後で糸を引いていたのが堕天使ルシフェルであり、その後の「ルシフェル事変」はこの世界そのものを脅かす大事件であった。
    これを解決するため、美親はアテナと二回目のオーバートランスを断行。
    事件は解決したものの、彼は今度は「記憶のロジック」を失う。

    その後美親は、アテナと「剣美親の記憶」を巡る長い旅を続けていた。
    急ぐ旅ではなかった。
    彼の生地を訪ね、育った土地を歩き、時折、というかしばしば、寄り道をしながら、ゆっくりゆっくり旅を続けていた。
    「剣美親の物語」。
    最初は、記憶を喪った美親にはまるで他人の話だったが―

    「ロジックカードがあっても無くても、お兄ちゃんは私の自慢のお兄ちゃんだよ!
    お母さんもきっとそう思ってる!」
    「そうだな。かすみもそう思ってるさ。
    そうそう、お前ももうそろそろいい年だ。
    ここは父親として、オトナのアソビって奴を教えてやらなくちゃなー」
    「ダメだよ!」『お断りします』

    彼を育んだ人の愛情が、彼と共に戦った者の友情が、その胸に染み入る度、身体の隅々、細胞のひとつひとつが何かを応える感じがする。
    そう、それは確かにこの身に、この体にあったことなのだ、と。

    そして、ある日の「中華ななほし」。
    ナイエン支局定理者チームの七星縁の実家で、定食屋を営んでいる。
    昼の忙しい時間を終え、いったん暖簾を降ろした時刻。
    今日は非番の縁が帰って来ており、家族と語らう時間を過ごしている、はずであったが―
    締め切った店の中、剣美親とアテナの前に立つのは、

    「―久しぶり、剣。アテナも」
    栗色のウィッグを脱ぎ、眼鏡をかけた玉姫は、そう言って微笑んだ。
    『もー アテナも全然連絡してこないんだからー 心配してたのよ? 玉姫が』
    「ちょ、ちょっとヴィーナス!?」
    玉姫の携えたフォーリナーカードから、アテナの同僚でもある女神ヴィーナスが声をかける。
    今回のキョウトから始まる一連の事件の背後に、ルシフェル事変の事を知る何者かの存在を嗅ぎ取ったオルガは、一計を案じた。
    秘密裏に剣美親と連絡を取り、呼び戻し、こうして玉姫を縁に変装する手はずまで整えて、彼女を仲介に任務を伝えたのだ。

    玉姫が胸元に掲げた端末から、ナイエン区メンバーたちが次々と美親に声をかける。

    まずはリーダーのオルガ。
    「剣、頼むぞ」
    「ああ、任せろ」

    ナイエン区定理者チームのアタッカー、クロエとヴァルキリー。
    「チカヨシとは一度、思いっきりマジで戦ってみたいンだよねー。どう?」
    『クロエ、お前というヤツは・・・ ま、私も構わんぞ?』
    「じゃあ・・・そのうちに」

    当時は新人定理者だった七星縁とケツァルコアトル。
    「先輩!」
    「もう七星の方がベテランじゃないか?」
    「いえいえ、私にとっては剣先輩は今でも剣先輩です!
    私、お祝いにご飯をいっぱい作りたい!・・・んですが、
    今日は無理なんで、代わりにウチの定食、たくさん食べて行ってくださいね!」
    『おう! お前がいないと男が少なくて肩身がせめーンだ。早く戻ってこいヨー!』

    ナイエン区のスナイパー、明日葉学とアルテミス。
    「リーダー? 戻ってきた・・・」
    「もう俺はリーダーじゃないよ。だからその呼び方は」
    「命令?」
    「いや、これは・・・お願いかな」
    「・・・わかった。
    これからは・・・ヨシチカ。
    ヨシチカ、これでいい?」
    『着いては離れが世の定めなら、今ひと時は、良き旅の道連れとなりましょう』

    そして支局長のヴェロニカとネメシス。
    「剣、お前には私の、誤った復讐を止めてもらった恩がある」
    『ま、アタシも復讐の女神だからネ。感謝しといてアゲルー』
    「せめてもの礼だ。戻ってきたら沢山仕事を与えてやるから、安心しろ」
    『シロー!』

    他にも、ゼラやクラウ、ピエリ、あるいはキタオカなど顔見知りのスタッフたちのメッセージが伝えられると、自然と目蓋が熱くなる。

    任務の説明と、仲間たちのメッセージを届ける。
    だが玉姫にはもう一つ、大事な仕事が残っていた。

    「・・・じゃ、試すね」
    「―ああ、頼むよ」
    『お願いします』

    「ゲートアクセス・モノリウム!!」

    清純のニコと合体、聖なる一角獣の癒しの力を宿した玉姫は、そのありったけを込めて、美親の胸にそっと手を置いた。
    「―ロジックドライブ」
    産まれた光は、ふわりと周囲を温めたかと思うと、すぐに美親の身体へと吸い込まれ、その全身を巡っていく。
    「・・・どう?」
    「・・・どうかな」
    心配そうな玉姫、そしてアテナの見る中、剣美親は、己の手を己の心臓の上に置き、ゆっくり深呼吸する。

    欠落したのは「記憶のロジック」。
    自分が誰かもわからず、真っ黒な穴をのぞき込む様な果てない不安が胸に空いていたが―
    ―あれから随分経った。
    アテナは片時も離れず彼につき従い、ともすると穴に落ちそうになる自分を支えてくれた。
    旅を決意し、各地を回る度、ひとつひとつの出会いがその穴を埋めてくれた。
    そして今、玉姫のくれた温かい光が、強く、眩しく、黒い穴を満たしていく。
    美親の家族、友人、知り合い、ライバル、皆が与えてくれた記憶の欠片を、その光が結び付けていく―

    「うん、大丈夫。きっと、大丈夫だよ」
    「・・・そう」
    残念ながら、表面上でハッキリと治療の効果がわかるわけではない。
    抑えていないと叫びだしそうになる気持ちを、無理やり留めて。
    「―剣」
    「なんだい?」
    「あなたの事は、あの時からずっと、信じてる」
    「ああ」
    「だからこれからも、信じさせて。美親」

    夕日が落ちようとしていた。
    この後、この公園でジークハルトたちと合流。作戦を開始する予定だ。
    既に時計合わせは済んでおり、今少しだけ、アテナは美親と二人きりの時間を作った。

    向かい合うと、特に言葉もなく、ただ何気なくどちらからともなく、ふと、微笑む。

    『・・・・・!』
    「アテナ、どうしたの?」
    『美親さん―』
    アテナが見た美親の微笑みは、そう、まさしく彼女の記憶の中にある微笑み。
    彼が記憶を喪ってから、どう繕ってもぎこちなさの影が潜む表情が、今―

    剣美親。
    2度のオーバートランスを経験した世にもまれな定理者。
    数年前のルシフェル事変を解決した英雄として称えられながらも、本人は記憶を喪い、何処かへと去ったと伝えられていた。
    今なお「記憶のロジック」は喪われたままだが、しかし、彼の掛け替えのない「記憶」は彼だけの物では無い。彼と縁を結んだ人々が欠片を持ち寄り、暖かな光で埋めている。

    美親はアテナの伸ばした手を取り、そのまま抱き寄せていた。
    『やっと、美親さん、いえ美親を見つけました・・・』
    「ありがとう・・・アテナ・・・」

    「じゃあ、行こうか」
    『はい、美親』

    「『合体!』」

    ―そして白き大楯の勇者は三度、戦場に現れる。

    定理者のカード 使者のカード 合理体のカード

    閉じる
  • 羅刹

    羅刹

    剣の道を極めたい武芸者。
    ジスフィアからセプトピアに来たのも、武者修行の一環。
    ただし暴れ者ではなく、戦う場所と相手は求めるが無関係な者を傷つけることに意味は無いと考えている。

    トランス!

     剣 美親 & 羅刹

    交わる求道者の刃、さらなる高みへ

    定理者と盟約者は必ずしもはじめから仲間だとは限らない。
    羅刹が初めてセプトピアに降臨した時、彼は剣美親の敵だった。

    羅刹は数々の伝説を残すジスフィアの鬼族の異端児。
    六本の腕を有した羅刹は二歳の頃から剣術に強い関心を示し、
    五歳の頃には六本の腕それぞれに異なる流派の剣技を体得。
    十歳の頃には六つの剣技を駆使した独自の流派『六鬼流』を以って、
    たった一人で幻龍を討伐したと言われている。

    羅刹は常に渇き続けた。
    さらに自分を高める為、多くの強者狩りを重ね、
    死線をくぐり抜けながら、己の腕を磨いていたのだ。

    彼にとっては『剣術の追求』こそが全て。

    そんな折、セプトピアとモノリウムの抗争が勃発。
    羅刹はこれを好機と捉えた。
    ジスフィア以外の世界ならば、さらに未知の強者が存在しているに違いないと考えたのだ。
    羅刹は狩場を求めて、セプトピアへとやってきた。

    そんな彼には揺るぎない三つのロジックがあった。

    《その一、決して群れない》
    《その二、格上と判断した相手にしか刃を向けない》
    《その三、相手の命を奪うことはしない》

    彼はセプトピアの人間を媒体にトランスジャックしては、
    モノリウムの屈強な獣たちを相手に敗北知らずの戦いを重ね、その腕を磨いていった。

    そんな彼が初めて敗北することになったのが、一人の若き定理者だった。
    額には鉢巻き。
    ジスフィアのサムライの戦闘服を着こなし、刀を肩に担いだ剣美親だ。

    なぜか母世界ジスフィア由来の装具に身を包んだ若者に対し、
    羅刹は一抹の疑念を抱いたものの、
    襲いかかってくる美親をかわし相手にしようとはしなかった。

    「なぜかかってこない……?」
    『……格下の相手に刃を向けるつもりはない』

    しかし羅刹にその気がなくとも、美親には戦う理由があった。
    羅刹にトランスジャックされた人間を救う為だ。

    本気を出さない羅刹に対し、果敢に挑む美親。
    そんな戦いの最中で美親はみるみる成長し、やがては羅刹の剣技を上回って討伐したのだ。
    羅刹は初の敗北に辛酸を舐めた。
    しかし不思議と清々しい気分でもあった。

    『思い残すことはない……斬れ』
    「……それはできない」

    どんな悪しき使者であろうとも尊い命を奪うことはしない
    信念を掲げていた美親は羅刹を捕獲。ALCAの監獄へと移送させた。

    捕虜になった羅刹がその後、美親に盟約を申し入れるまでそれほど時間はかからなかった。
    彼にとってみれば初の敗北相手である美親と共に
    戦場で剣の腕を磨くことは、この上ない悦びでもあったからだ。

    一方の美親がそんな羅刹の申し出を快く受け入れた理由はただ一つ。
    《相手の命を奪うことはしない》
    という羅刹のロジックに共鳴したからだった。

    が、美親と羅刹の出会いが、哀しき運命の序章であったことを知る者はいない──。

    定理者のカード 使者のカード 合理体のカード

    閉じる
  • 緋華

    緋華

    ALCAに協力する為にジスフィアからやってきた、女サムライ。
    かなり高い剣技を持ち、若いがいろいろと修羅場をくぐってきた人物。
    普段は柔和な表情を浮かべているが、戦いの際は目つきが鋭くなる。

    トランス!

     剣 美親 & 緋華

    ぶつかる信念、通じ合うロジック

    剣美親は世界各国に存在する定理者の中でも稀有な能力を有する若者だった。

    無限の精神的キャパシティ。
    圧倒的な肉体的忍耐力。
    そして何よりも己の信念を曲げない意志の強さは、
    まさに天が授けた定理者の申し子。

    中学生の頃、定理者の能力が開花し、
    ALCAホンコン支局に所属することになった美親は、驚くほどの速さで戦術論を吸収。
    まさに期待の大型新人だった。

    ホンコン支局長は早速、彼に最も相応しい盟約者を選定。

    白羽の矢が立ったのは、ジスフィアからALCAの加勢に参じていた
    国士無双の女サムライ、緋華。

    緋花は封刀「神楽」を携え、ジスフィア随一の高い剣技と生存力で
    若い頃から死線をくぐり抜けてきた猛者だった。
    その才を買われ、異世界間紛争の火消し役として特級外交官の任を務めていたのだ。

    普段は呑気で柔和な表情を浮かべている緋華だが、
    時折見せる眼光の鋭さは目を合わせた者を畏怖させ、
    戦意を大きく削ぐ力を宿していた。

    ホンコン支局長の采配によって、美親と緋華は盟約を前提とした接見を行うことになった。

    「はじめまして緋華さん。あなたと盟約できるのならとても光栄です」
    『……茶番だな。あなたは私の何を知っているというのだ』

    本来、盟約とは定理者と使者が互いのロジックを信頼し合い、
    その命を預け合う契りを結ぶことである。
    当然その相手の選定は慎重でなければならないのだが、
    美親は支局長の采配に身を委ね、緋華との盟約を安易に受け入れようとしていた。

    緋華は、美親が盟約の重みを侮っていると感じ、彼を試していたのだ。

    『守れない契りは交わさない……それが私の信条でね』

    緋華は眼光鋭く美親を見据え、彼の意志を試した。
    しかし美親は緋華から目を逸らすことなくジッと見つめていた。

    普通の相手ならば即座に畏怖してしまうであろう彼女の眼力が、彼には通じなかったのだ。

    「すみませんが、議論している時間はないんです……
     使者はいつこの街を襲ってくるか分かりません。
     いつこの街を、この街の人々を、壊してしまうか分からないんです……
     俺はこの街を守りたい……子供たちの夢を守りたいんです!」

    美親の言葉が緋華の心に深く刺さった。
    彼女の唯一にして最大の弱点──それは彼女が何よりも子供が好きであり、
    子供を守る為となると冷静さを欠いた無謀な戦い方をしてしまうところがあった点だ。

    「緋華さん。あなたは俺のロジックを受け入れてもらえますか?」

    この時、緋華の美親を見る目は百八十度変わった。

    盟約を侮っていたのは彼の方じゃない。むしろ自分の方である、と──。
    そして美親はこの若さにしてすでに、揺るぎない意志の力を持っている、と──。

    緋華は思わず口元に笑みを浮かべた。

    後に一つの伝説を築き上げることになる
    定理者、剣美親の初めての盟約はその瞬間、成立した──。

    定理者のカード 使者のカード 合理体のカード

    閉じる
  • side_anime
  • side_wataraku2
  • side_comic
  • side_column
  • side_movie
  • side_radio