キャラクター&ストーリー

  •  剣 美親
  •  揺音 玉姫
  •  クロエ・マクスウェル
  •  五六八 葵
  •  揺音 聖那
  •  アシュリー・ブラッドベリ
  •  ジークハルト・クラウス
  •  当麻芽路子
  •  明日葉 学
  •  オルガ・ブレイクチャイルド
  •  七星 縁
  •  ヴェロニカ・アナンコ
  •  ジゼル・サンダース
  •  ニーナ・アレクサンドロヴナ
  •  リオネス・エリストラートヴァ
  •  京橋万博
  •  橘 弥生
五六八 葵
五六八 葵いろは あおい
性別 女性
年齢 -
身長/cm 163
体重/kg 45
血液型 A型
生年月日 9月7日
好きなもの クリームパン
嫌いなもの 苦いもの

凛とした少女。

弓道の名家に生まれ、厳しい両親に育てられた。
「人に感謝を忘れない事」という両親の教えをけなげに守り、
厳しく自分を律して生きなければならないと思っている。

一方、周囲の押しに弱く、
頼られたり、甘えられたりすると、断れない。

盟約者フォーリナー

  • トール

    トール

    テトラヘヴン屈指の戦闘力を誇り、常に闘いと強さを求める。基本的には真面目な性格であるが、闘いを純粋に求めるあまり、子供っぽい一面も。闘いでは、雷とトールハンマーを操る姿から“雷の戦神”という異名を持つ。

    トランス!

     五六八 葵 & トール

    葵 & トール

    トリトミー襲来の混乱の後、葵はいかなる場合にも備えて、「強さ」が必要であることを実感した。

    単純な戦闘の強さだけではなく、精神の強さも非常に重要になると。
    それは、使者の襲来が激減し、戦闘よりもパトロールや慈善活動に従事するようになった、
    今この時においても。

    『葵、闘いはまだか!?』
    また始まった…と心の中で呆れる葵。
    今日お願いされている活動は、道を塞いでいる倒木の処理。
    確かに、彼女の求めているような闘いではない。
    「言ったでしょ?今の定理者は闘うだけじゃないって。こういう活動だって、とても大切なことなのよ」
    『そうかもしれないが…』

    ここまで彼女が闘いを求める理由、
    それは彼女が、テトラヘヴン屈指の戦闘力を誇る、雷の戦神だからであろう。
    “戦神”ともあろうものが慈善活動にいそしんで、自慢の戦闘力を発揮できないことが、
    腑に落ちないのかもしれない。
    葵も、その気持ちは十分に分かっているつもりだったが、
    「トール、あなたはそれでもいいって言ってたじゃない」
    そう言いながら、彼女と盟約した時のことを思い出していた。

    ALCA盟約室には、葵とトールの姿があった。
    実戦経験を持つ定理者と盟約がしたいというトールからの要望に、葵が呼ばれたのである。
    葵のトールへの第一印象は、力強さ、であり、これまでの盟約者とは毛色が違うかな、
    というものだった。

    「実戦経験を持つ定理者なら私以外にもいるわ。その中からなぜ私が?」
    『キュウドウの名家で育ったという話を聞いた。葵は闘いの為の能力を幼いころから鍛えてきたということだろう。“戦神”の異名を持つ私にぴったりの定理者だと思ったのだ!』
    「弓道は闘いってわけでもないけど・・・」
    『それに、モノリウムの腕利きの戦士、メルチとも盟約しているそうじゃないか!
    あれだけの力を持った者と盟約をしていることが、葵の実力を証明している!』
    トールは、葵以外の盟約者は他にいないと考えているようだった。
    葵の話を聞こうとせずに、とにかく盟約をしようと、葵についての情報を熱弁している様子である。

    「トール、あなたは“戦神”の異名を持つみたいだけど、今のセプトピアはかなり平和なの。
    使者の侵略も減ったし、滅多に闘うことはないのよ?」
    葵は、勢いに押されそうになりながらも、なぜこのタイミングで盟約を、という疑問を投げかけてみた。
    『定理者と盟約をすれば、さらに強くなれると聞いた!
    葵と盟約をすれば、もっと強くなれると感じたのだ!それに、強くなることに理由などいらない!
    闘いが少なくても構わない!』
    答えになっているような、なっていないような返答であったが、葵が何を言ってもこの熱意は変わらないのだろう。葵にとっても、「強さ」を求めることに異論はなかった。
    「そこまで言うなら…」
    『本当か!?ありがとう、恩に着る!』
    これまでとは違った、力強い盟約者であるため、葵は内心ドキドキしながらも、自分の心の強さを鍛えていくために、良い相手なのではないかと考えていた。

    「戦いが少なくても構わないって言ってたわよね?この倒木だって、私たちだから簡単に処理できるのよ」
    そう言いながら、トールハンマーの一閃で倒木を吹き飛ばす。
    『こういう能力の使い方ももちろん必要なことだとは思う……』
    トールと過ごしていく中で、彼女のことを徐々に理解するようになっていた。
    “戦神”という異名を持ちながらも、闘いを求める純粋な子供のよう一面があること。

    なんだかんだ文句を言いながらも、慈善活動にも能力を発揮して、精を出してくれる真面目な性格であること。
    盟約した当初はどうなっていくのか不安もあったが、上手くやっていけそうだな、と感じるようになっていた。
    出来ることであれば、彼女が一番輝ける、闘いの場を用意してあげたい気持ちはあるが、
    「今、私たちにできることをやりましょう。この活動も、しっかりと強さに繋がっていくと思うわ。」
    『葵が、闘いでは得ることのできない強さがあるというのなら信じてみよう。ただし毎日1時間の訓練には付き合ってもらうぞ』
    「はいはい」

    駄々をこねたような言い方に少し呆れながらも、強さを純粋に求める姿勢は見習うべき点だな、
    と微笑みながら返事をした。

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  • 稲穂のロッタ

    稲穂のロッタ

    モノリウムで、行方不明となった兄を探しに門をくぐった、兎の獣人少女。
    さみしがりやで、甘えんぼ。
    セプトピアにきた彼女を保護してくれた葵を慕っている。
    最近は葵のボディーガードとの名目でいつも後ろをついて歩いている。

    トランス!

     五六八 葵 & 稲穂のロッタ

    高度33000フィートのわがまま

    学がALCA本部を死守するため孤独な戦いを続けている。
    地上では、クロエが陽動のため激戦に身を投じている。
    一方、高度33000フィートの上空を飛ぶ輸送機。
    そこでは、研究所への潜入のため、定理者たちが空挺作戦の準備を進めていた。
    ――が、トラブルとはいうのは思わぬタイミングで思わぬ人物が起こすものである。

    『どーして私じゃないの!?』

    輸送機の中に、ロッタの声が響き渡る。
    作戦実行に選ばれた葵の合体相手がアルヴだと知り、拗ねて不満を爆発させたのだ。

    「それは――」

    困惑の表情を浮かべる葵。
    間もなく輸送機は研究所上空に到達する。
    作戦決行の時は迫っているのだ。
    まだまだやらねばならない準備は山ほどある……
    のに、ロッタのわがままがこんなタイミングで炸裂してしまうとは……。
    葵はロッタを呼び出すのを作戦終了後にしておけばよかったと少し後悔したが、後の祭り。
    何とかわかってもらおうと説得をはじめた。

    「――この任務は研究所に潜入してそれで終わりじゃないのよ?
    ロッタもわかってると思うけど、研究所の内部には数えきれないほどの敵がいて、
    中にはとんでもなく強いヤツだって」
    『ろっただって強いもん!』

    葵の話を遮るロッタ。

    『弓の技なら、アルヴにだって負けないもん!
    前は1度に1本しか弓を引けなかったけど、今は2本か3本なら引けるよ?』

    確かにロッタの言う通り。
    葵とロッタの合体した姿は以前よりも強くなった。
    同じ弓を「火力」として比べた場合、
    もちろん高出力ビーム弓を主兵装とするアルヴに軍配が上がるのは確かだが、
    センサー以上に敏感に敵を察知する「野生の勘」、
    そしていざ敵を前にした時の身のこなし、俊敏さなど総合して考えれば、
    合理体としての戦闘力は、アルヴにいささかも劣る所ではない。
    しかし、葵はここではその事実を伏せる。

    ―この危険な任務に軍人のアルヴはともかく、
    妹の様に可愛がっているロッタを連れ出したくはなかったのだ―

    「いや、けどね、潜入したあとは戦闘だけじゃないのよ?」

    葵は別の手立てでロッタを説得しようとする。
    「任務の中には、コンピュータのハッキングも含まれているの。
    研究所の中にあるゲートカードの暴走を止めることが第一の目的なんだから。
    ロッタにはコンピュータのハッキングなんてできないでしょ?」

    仕方のないことなのだとロッタも納得できる理に適った説得である。
    そして、この理由であればロッタも傷つかない。
    ロッタはグーの音も出なくなったのように、一瞬黙り込んだ。
    (……よかった。わかってもらえた)
    葵はホッとして胸を撫で下ろす。
    しかし、

    『……できるもん』

    その一言に葵は耳を疑った。

    「できるもんって……ハッキングが?」
    『……できるもん……ハッキング』

    ロッタは目を伏せて、不貞腐れたように、もう一度つぶやいた。
    (……幼稚園児か!)
    葵は心の中でつっこんだ。
    できないことをできると言い出す――幼児のわがままそのものだ。
    (無理……説得できない……)
    と、気が遠くなっていく葵。
    すると、ロッタが感情を爆発させる。

    『だって葵が心配なんだもん! そばにいて葵を助けてあげたいの!
    ねえ、私じゃどうしてもダメなの!?』
    「……」

    葵はしばらく呆気に取られていたが、クスッと笑いが込み上げる。
    ロッタは拗ねて、わがままを炸裂させていたわけではなかった。
    葵が心配で助けてあげたい一心だったのだ。
    すると、ずっと腕を組んで事態を静観していたがアルヴがロッタに近づいて頭を撫でた。

    『大丈夫です、ロッタ。私がロッタの分も葵を守ります。私を信じて任せてください』

    ロッタは涙ぐみながら、アルヴに小指を差し出す。

    『約束だよ?』

    アルヴとロッタは指切りをした。
    葵はその上に、そっと手を重ねた。

    「ロッタ、ありがとう……」

    葵は微笑んで、優しくロッタの思いに感謝する。

    「うん……」

    泣いていたロッタも笑顔を作り、葵に応えるのだった。

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  • 春待のメルチ

    春待のメルチ

    闘牛の獣人女性。
    毎日のんびり楽しく生きていければ良く、
    セプトピアでも楽しく生きていければ良いかな~と、マイペース。
    口癖は「牛乳を飲むと良いわよ?」

    トランス!

     五六八 葵 & 春待のメルチ

    春を待つ2人

    初対面というのは大事だな、と葵は思う。

    葵が彼女に引き合わされる前に聞いていたのは、
    彼女はモノリウムの闘牛の獣人で、
    いくつもの戦いを切り抜けてきた腕利きの戦士だということ。
    人間など太刀打ち出来ない剛力の持ち主で、
    ひとたび怒れば巨大な矛槍を振るい、周囲に嵐を巻き起こす、と。

    だから葵は結構緊張していたのだ。
    心配だからついてくるというロッタを置いて一人で会いに来たのも、
    ロッタが何か失礼をして相手を怒らせてはいけないと思ったからだ。
    無論セプトピアのロジックに適応している以上、本来の剛力とやらは振るえないはずだが、
    それでもモノリウムで戦いに明け暮れていた者達の戦うセンスは侮れない。
    葵は内心、戦々恐々としていたかもしれない。

    そして始めて引き合わされた時に、彼女に言われた言葉を葵は今も覚えている。

    『お姉さんに、甘えていいからね』

    自分より上背のある大柄な女性が、一足で葵の前に滑り込んでくる。
    そのまま、葵をぎゅっと抱きしめた。そしてゆっくり優しく、その頭を撫でた。

    『大丈夫、お姉さんに任せなさい』

    葵は思う。
    そんなに自分は、怯えた顔をしていたのだろうか。
    内心のためらいを瞳に映していたのだろうか。
    あるいは、胸の内にあったあれやこれやを一瞬で見透かされたとでも言うのだろうか。
    今となってはよくわからないし、恥ずかしくて本人に聞くこともできないが、
    とにかくその時葵は、彼女―春待のメルチに、暖かく包まれてしまったのだ。

    こうして、ある意味なし崩しに、メルチとの盟約が進められた。
    幸い葵とメルチの相性は悪くなかった。
    メルチの剛力を借りた葵の合理体は、期待以上の戦闘力を発揮した。
    もう一人の盟約者、ロッタが焼きもちを焼くので、出番は控えめだったが。

    そんなメルチだったが、彼女はいつも緩やかな笑みを絶やさず、のんびりマイペース。
    ALCAのスタッフや周囲の人たち、食って掛かるロッタすらも、柔らかく受け止めている。
    葵自身もあの日からずっと、彼女の腕の中で甘え続けている、そんな気がしていた。

    「・・・だからこそ今日は、聞いてみたい」

    歴戦の戦士であるはずの彼女が、何故そこまで優しく柔らかくあることができるのか。
    ひとたび怒れば嵐を呼ぶ、というのは嘘なのか。
    葵がそう聞くと、何を勘違いしたのか、メルチの答えはこんなものだった。

    『ふふっ、大丈夫。
     大抵のことは、牛乳を飲んで、日向で一眠りすれば、いずれ春は来るわよ?』

    正直、葵ははぐらかされたような気がした。その不満が顔に出たのだろう。
    ふと目をそらすと、メルチはどこか遠くを見ながら、ぽつりとこぼした。

    『・・・本当に怒らなければならないことなんて、滅多にないものよ』

    彼女が怒りのままに剛力をふるい、あの巨大な矛槍で嵐を起こした。
    それはきっと、本当のことなのだろう。
    そしてそれは、彼女にとって恐らく、誇るべきことではないのだろう。

    春待のメルチは今日も、皆を暖かく受け止めながら、ゆっくり春を待っている。

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  • アルヴ・レイザード000

    アルヴ・レイザード000

    トリトミーからやってきた、エリート軍人機体。
    ALCAの要請で派遣されてきたうちの一人で、
    軍人として任務をこなすことを第一に考える、真面目な性格。
    主兵装は大型のビーム弓で、自ら高速で移動しながら
    中距離からの正確な射撃で相手を制圧する戦術を得意とする。

    トランス!

     五六八 葵 & アルヴ・レイザード000

    真面目×真面目

    任務のため、葵とアルヴがやってきたその街は、他とは違う雰囲気が漂っていた。

    『この街に漂う白いモヤのようなものは一体……?』

    戸惑うアルヴに、葵は落ち着いたまま答えた。

    「……湯けむりよ」

    二人がやってきたのは、とある温泉街。
    あちこちに湯けむりが漂い、硫黄の匂いが鼻につく。
    石畳の道に売店が軒を連ね、浴衣姿の老若男女が幸せそうな笑顔で行き交っている。
    この平和な温泉街にトランスジャックの常習者が潜んでいる、らしい――。
    その通報は単なる噂話の域を出ず、いたずらか見間違いの可能性が高い。
    だが支局は渡りに船とばかりに、葵とアルヴのコンビに温泉地での「潜入調査任務」を命じた。
    ・・・そうでもしないとこのコンビ、有休も消化せず働きづめで、
    自分たちから休もうとしないのだ・・・

    『……とりあえず、あれに着替えましょう』

    葵とアルヴは、空振りに終わる可能性が高いとはいえ、
    一応カムフラージュのため浴衣に着替え、湯治客を装うことにした。
    そして足湯、打たせ湯、砂風呂、大浴場に卓球……と、温泉街をめぐり、
    怪しい者はいないかと目を光らせる葵とアルヴ。

    「……それらしき者はいないわね。やはり何かの間違いなのかしら?」
    『恐らくは。しかし万一本当なら、そう簡単に尻尾は見せないでしょう。楽観は禁物です』

    葵とアルヴは真面目そのものだ。
    温泉地にいようが、その雰囲気に流され楽しんでしまおうなどと微塵も思うことなく、
    ただ実直に任務遂行のために動いていた。
    だがある時、葵はふと自分たちを周囲の人々が不思議そうな目で見ていると気づき、
    ハッとする。

    『どうかしました?』
    「アルヴ……私たちもっと楽しんだほうがいいかも。なんだか周りから浮いているみたい」
    『確かに私たちが怪しまれては、使者にも気づかれてしまいますね……』
    「うん、た、楽しみましょう。周囲に溶け込むよう、がんばって」
    『命令、了解です。可能な限り善処、します』

    楽しんだふりをしようと試行錯誤をしてみるが、やはりどこかぎこちない。
    途方に暮れかかったその時、
    葵とアルヴの目に楽しそうに温泉街を闊歩する男女二人が目に飛び込む。

    「あの、すみません!」

    葵とアルヴは声をかけ、「一緒に遊んでくれませんか」と頼み込んだ。
    この男女に紛れていれば、自分たちも自然と楽しんでいるかのように見えると考えたのだ。
    だが、いきなりそう言われても驚き戸惑うばかりの男女。
    それを見て、葵は正直に事情を打ち明けようとした。

    「実は私たちはALCAの――」

    その途端、男の態度が一変する。

    『ちっ、勘づかれたか!』
    「?? はい???」

    偶然声をかけた男の正体はなんと使者だった。
    男はすぐさま女をトランスジャックし、
    葵とアルヴの目の前には巨大で邪悪そうなロボットが現れた。

    「アルヴ、私たちも!」
    『了解!』

    すさかさず葵とアルヴも合体。
    葵の身体は蒼色の装甲に包まれ、使者の攻撃を素早く躱しながら立ち向かっていく。

    「エクシードブラスター!!」

    叫び声ととともに、ビーム弓が敵に炸裂。見事に打ち倒したのだった。
    こうして事件も無事解決。温泉街を後にして、葵とアルヴは司令部に戻った。
    ところがそこにいたのは、浮かない顔をした上司だ。

    「命令は遂行できたと思ったのですが……」
    「・・・私は君たちに、無理やりにでも休んで欲しかったのだが・・・
    任務と言えども、温泉地にいれば自ずと楽しんで休んでくれると思ったんだが、
    まさか本当に使者がいるとは……」
    「とんでもない。偶然とはいえ、街の平和を守ることができて良かったです……」

    葵はホッとしたような笑顔を見せると、アルヴも同じように笑顔で頷いた。
    真面目すぎる二人に、上司も頼もしく思えるような呆れたようなそんな気持ちで苦笑いを浮かべるのだった。

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  • ピノ・プレート964

    ピノ・プレート964

    トリトミーから派遣された、愛玩用ロボット。
    子供の遊び相手になることが第1の任務であり、
    子供に付き従い、常に子供を守るようプログラムされている。
    いざという時のため装備している2丁のビームガンは、
    状況に応じ様々な効果の光線を発射できる。

    トランス!

     五六八 葵 & ピノ・プレート964

    ピノのお仕事

    公園に響く子供たちの明るい声。
    都会の公園のわりには遊ぶスペースが広く、子供たちは所狭しとはしゃぎ回っている。
    それを尻目に葵は一人、ポツンと所在なさげにベンチで座っていた。
    かれこれ二時間。
    ピノが子供たちと夢中になって遊び始めてからずっとそんな感じだ。
    子供の遊び相手のために作られた愛玩ロボットだとは言え、
    たくさんの子供を見ると一緒に遊ばずにはいられない性分は困ったものだ、
    と葵はやや途方に暮れていた。

    「ねえ、ピノ。そろそろ行きましょう」

    葵は子供たちの中心にいるピノに声をかけた。

    『モウチョットダケ、イイダロウ?』

    まるで母親に逆らう子供のように答えるピノに、葵は溜息。

    「遊びたい気持ちはわかるけど、私たち任務の途中なのよ」

    この近辺で、トランスジャックを繰り返す使者がいるとの情報があり
    二人はパトロールに来たのだ。
    いつまでも同じ場所に留まっているわけにはいかない。
    けれども、ピノにはそんな事件よりも子供と遊ぶほうが大事。
    それがピノの仕事であるからだ。
    なんとか遊び続けようと知恵を絞る。

    『ナラバ、葵モイッショニ、アソンデクレタラ、シゴトニモドル!』
    「……どうしてそういう話になるんです?」
    『イイカライイカラ!』

    このままじゃ埒が明かない――と、葵は仕方なさそうに頷く。
    葵の心中も知らず、子供たちは仲間が増えて楽しそうだ。

    「こんなに人がいっぱいいるなら『ケイドロ』やろうよ!!」
    「いいねいいね!!」

    と、大盛り上がりだ。

    「……『ケイドロ』とは何でしょうか?」

    ところが、葵はその遊びを知らずキョトンである。
    名家に生まれ、幼い頃から厳しく躾けられた葵は
    同年代の子供と遊んだことがまるでなかったためだ。

    『オシエテヤロウ!』

    ピノはクスッと笑いながら葵に耳打ちする。
    セプトピアに来て間もないのに、すでにこの世界の子供の遊びに精通してるのはさすがだ。
    ピノから説明を受け、警察と泥棒に分かれてやる鬼ごっこの一種らしいと
    葵はすぐに理解すると、すぐさまゲーム開始だ。
    一斉に駆け出す子供たちとピノ。葵は警官だ。
    必死に追いかけ子供たちを捕まえていく。

    「よし捕まえましたよ! あれ???」

    葵の想像を超えてすばしっこい子供たち。
    葵が捕まえようとしてもするりと逃げていく。

    (これなら使者を相手にしているほうが楽です……)
    ようやく全員捕まえた頃には、葵はもうヘトヘトだ。

    『ヨシ! コンドハ ボクガ 警官ヲヤル!』

    ところがピノはまだまだ元気。

    「え……一回やったら仕事に戻るんじゃなかったんですか??」

    葵が異を唱えると子供たちからブーイング。
    まだまだ葵とピノと一緒に遊びたいようだ。
    子供たちの熱意の前に、葵も強く言えず、どうしようかと迷い始めた。

    その突然、公園に緊急警報が鳴り響いた。
    同時に、司令部から通信。
    どうやら近くに出現した使者がこの公園まで逃げ込んだらしい。

    「ピノ、早く子供たちを避難させなきゃ!」
    『……モウ、オソイ』

    葵たちの目の前に、その使者が現れた。
    怯えて泣き出す子供たちをピノは励ました。

    『ダイジョウブダ コンナヤツ、ボクト、アオイデ、ブッツブス!』
    「ほんと?」

    ピノの言葉に子供たちは泣き止んだ。

    『デキルヨナ、アオイ?』

    そこにはさっきまで遊びたいと駄々をこねていたピノはいない。
    大切な子供たちを守るためなら何だってやる、子供たちのヒーローそのものだった。
    葵は力強く頷いた。

    「……もちろんです。やっつけちゃいましょう」

    そして合体する二人。
    その姿を見て、子供たちから歓声が上がる。

    「がんばれお姉さーん!!!」

    その声を背に葵はいっそう思いを強くする――
    任せてください、私とピノが君たちを絶対に守るから、と。

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