キャラクター&ストーリー

  •  剣 美親
  •  揺音 玉姫
  •  クロエ・マクスウェル
  •  五六八 葵
  •  揺音 聖那
  •  アシュリー・ブラッドベリ
  •  ジークハルト・クラウス
  •  当麻芽路子
  •  明日葉 学
  •  オルガ・ブレイクチャイルド
  •  七星 縁
  •  ヴェロニカ・アナンコ
  •  ジゼル・サンダース
  •  ニーナ・アレクサンドロヴナ
  •  リオネス・エリストラートヴァ
  •  京橋万博
  •  橘 弥生
  •  森ヶ谷 夕子
当麻芽路子
当麻芽路子とうま めじこ
性別 女性
年齢 -
身長/cm 168
体重/kg 53
血液型 B型
生年月日 7月13日
好きなもの オカルト系サイト閲覧。マイナスパワースポット巡り
嫌いなもの SNS (コミュニケーションツール)

小学生時代、オカルトブームに直面。
ブームは去っても自分は抜けられなかった。
その後、なんとなーく周囲と話題が通じず溶け込めず、
だんだん考えが暗くなっていき、漂うオーラも暗いものに。
(自称)オカルト探索中、ちょっと開いたジスフィアの門から出てきた使者・煌煌と出会い、半ば取り憑かれるように彼女と盟約を結ぶ。

実はALCAには所属していない、異端な存在。
芽路子が身につけているオカルトグッズ(数珠っぽい腕輪)が
ロジグラフの役割をしている。

盟約者フォーリナー

  • 煌煌

    煌煌

    偶然開いた門を通じ、セプトピアにやってきたキョンシー道士。
    快楽主義者で、面白いことなら周囲を巻き込んで自爆を辞さない困ったちゃん。
    芽路子と出会ってからは彼女と遊ぶのが楽しくなってしまい、今のところ帰る気が無い。

    トランス!

     当麻 芽路子 & 煌煌

    最強の傍観者

    爆発、炎上、混乱する街、人々の悲鳴。
    (……危ない危ない、早めに避難しといて正解正解)
    と、芽路子は騒ぎが起こりはじめた頃から既に安全な場所に避難していた。
    何かあった時に逃げ込む場所は、ずっと前から確保している。
    それは幻の地下鉄の駅。
    工事されて完成していたものの、どういう理由かわからないが、
    使われることのなかった駅だ。
    存在を知る者も、ここにやってくる者もいない。
    芽路子だけが知る秘密のセーフハウスだ。
    避難生活をはじめて3日が過ぎたが、そこは平和そのものだった。
    芽路子が呪いたいと思う人間も、使者も現れない、心穏やかな静かな暮し。
    非常食はたっぷりあるし、パソコンも持ち込んで、ネットもし放題だ。
    (……こんな快適なら、避難ライフとかあと1か月は余裕ッ!)
    などとニヤニヤしていたのも束の間。
    ネットからの情報によると、地上の混乱はやや落ち着き、膠着状態となっているようだ。

    「……え、たったの3日で? ALCA優秀じゃない。どういうこと?」

    情報をチェックする芽路子に、ラルフェが淡々と答えた。

    『ネット上の情報を分析しますに、ALCAは新型のゲートカードを使用したようです』
    「新型のゲートカード……?」
    『異世界からかつての盟約者を自由自在に呼び出させるカードのようです。
    各定理者への配布が着々と進み、
    状況によって適材適所の盟約者との合体を選ぶことによって
    効率よくかつ効果的に戦果をあげているのだと推測します』
    「……やけに詳しいのね」
    『ALCAのコンピュータをハッキングして情報を得ました』
    「その中に、新型ゲートカードのものも含まれていた、と……」
    『はい、抜かりなくデータもコピー済みです』

    と、ラルフェは淡く輝くカードを見せた。
    それを見た途端、芽路子は嫌な予感で顔がひきつる。

    「……はい?」
    『万が一使者が襲ってきた際、
    ご主人も複数の盟約者を使いこなせたほうがよいと判断しました。万全です』

    芽路子に忠誠を誓うラルフェは、ただただ主のことを思いやったのだが、
    これが余計なお世話だったのだ。

    「……ちょっと待って。複数の盟約者って……昔、私と盟約したのって、だって……」

    芽路子が気を動転させていると、カードから閃光が放たれる。

    「眩しッ!!」

    そして、芽路子の前に現れたのはかつての盟約者・煌煌だ。

    『きゃー! 芽路子、ひさしぶり!!』

    キョンシー少女・煌煌は芽路子との再会を喜びピョンピョンと飛び跳ね、

    『パソコンだ! ゲームしようゲーム!』

    と、はしゃいでピョンピョンと飛び跳ね、

    『おでかけしようよ! ねー! ねー!』

    と、駄々をこねてピョンピョンと飛び跳ねた。
    的中する嫌な予感……。
    (わ、私の静かな避難ライフが……)
    呆然とする芽路子と傍に控えるラルフェ。
    その周りをぴょんぴょん跳ね回る煌煌。
    (悪いコトって、一つじゃ終わらないのよね、こういう時は……)
    などと思った途端、壁が崩れ去り使者までも目の前に現れた。

    「!!!」

    実は新ゲートカードの作動を感じた使者が探しに来たのだが、
    そんなことは彼女たちにはわからない。
    次から次へ後を追う様に、わらわらと使者たちが現れ始めた。
    芽路子はやむを得ず煌煌と合体。

    『見て見て! 私ね、帰っている間に超レベル高い呪術覚えたの!』
    「……もう、勝手にやってよ……」

    悪霊、瑞獣などを呼び出し使役させる煌煌の呪術に感動も感心もすることなく、
    芽路子はどうにかこうにか地下のトンネルを抜け出し、地上に辿り着く。

    (おのれ……これもALCAのせいだ!!!
    アイツらが変なゲートカードなんか作るからッ!!!)
    芽路子の気持ちは助かった喜びに浸ることなく、
    ALCAを逆恨みする方向に向かって行った。

    「呪ってやる! 呪ってやる!」

    と、ラルフェのコンピュータを操り、ALCAのコンピュータをハッキング。
    とりあえずウイルスやらボッドやらを仕込みつつ、
    あわよくばゲートカードのデータを消し去ってやることにした。
    ものすごい勢いでキーボードを叩き、
    ALCAの研究所のものらしきサーバーにあともう一歩と迫った時だった。

    「……えッ!?」

    黒い画面に浮かぶ記号の海は消えて画面が乱れると、
    突如現れたのは見知らぬ美少女――ニーナだった。

    「ハッキングしているのは、あなた? 定理者ですか?」

    と、冷静に問いかけるニーナ。
    対する芽路子は気が動転して、しどろもどろ。

    「あ、いや、私は、その、合体はしてるのですが定理者ではなく、何というか……」
    「わかりました。あなたがどなたでも構いません。どうか力をお貸しください」
    「力を貸す……?」
    「この騒動の原因を探り、解決する方法を見つけなければなりません。
    手が足りません、お願いします!」
    「で、でも、わたし、なんか……」
    「ここまで侵入できた貴方は優秀です。素晴らしいです。
    その力をお貸しください。共にこの世界を、守りましょう!」

    端末越しでもわかる、少女のまっすぐな瞳と綺麗すぎる心の輝き。
    人の善意とか勇気とか、とにかくそんなものを信じてやまない子の光だ。

    ……正直、芽路子にはまぶしすぎて直視できない。

    「わ、わかった、わかった、から」
    「ありがとうございます!」

    感謝の言葉と共に、早速指示を飛ばしてくる少女の声を聞きながら、
    (良いけど!手、貸すけど!
    この借りは、必ず、必ず返してもらうからね!)
    そう思っても、口には出せない芽路子であった。

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  • ラルフェ・インセクト012

    ラルフェ・インセクト012

    トリトミーからやってきた、蜘蛛型の自警/交通安全用ロボ。
    一部の上流家庭でも採用されることがあり、
    性格は家庭的で努力型、
    主人に対しては絶対の忠誠で仕えるよう設定されている。
    今日も主人である「芽路子」のため、
    誠心誠意仕えている。

    トランス!

     当麻芽路子 & ラルフェ・インセクト012

    スパイスに惹かれて……

    香ばしいスパイスの匂い

    ――それを嗅いだ瞬間、当麻芽路子のウジウジした悩みは一気に吹き飛んでいった。

    いくらカレーが好きでも行列のできる人気店に行くのは、芽路子のキャラではない。
    人混みも、キャーキャー言いながら友達と行列に並んでいる人を見るのも、芽路子は苦手だった。

    しかし昨夜テレビでこのカレー店が取り上げられたのを観た途端、
    芽路子はそんな苦手すらも度外視したくなった。

    香りの強いスパイス数種類が調合され、
    野菜も原型が無くなるほどドロドロに煮込まれたそのカレーは、
    まさしく芽路子の好みのど真ん中だった。

    『行列は一時間待ちのようです』

    そう言ったのは、芽路子の盟約者ラルフェ・インセクト012だ。
    芽路子は来なくていいと言ったのに、半ば強引についてきいた。
    盟約してからというのものラルフェは、芽路子を「主人」と慕い、
    まるでSPや執事のように絶えず彼女の周囲を警戒し、ついてまわった。
    芽路子はそんなラルフェを時折鬱陶しく感じるのだが、強くは拒めないでいた。

    2人が行列に並んで30分ほど経過した時のことだ。

    芽路子の前に並んでいた女子大生風の若い女性が「あ!ここ、ここ!」と明るい声を上げた。
    見ると、彼女の友達らしき若い女性たちが明るい笑顔で駆け寄ってくる。
    そして、なんと彼女たちは行列の中へと割り込んだのだ。その数は、5人!
    その瞬間、芽路子に怒りのスイッチが入った。

    芽路子は苦手な行列を30分も我慢し、やっと中ほどで辿り着いたというのに目の前の女たちは何の努力もせずに自分の前にいる

    ――それが許せなくてたまらなかった。

    と言っても、芽路子は彼女たちに直接怒りをぶつけるわけではない。
    芽路子にできることは、誰にも聞こえないような小さな声で彼女たちを呪うことだけであった。

    ――なんでもいい……なんでもいいから、この人たちが不幸になりますように……。

    そしてその願いは叶った。

    彼女たちが入店直前、カレーソースが底をつき、店は急遽閉店となったのだ。
    「えー」と不満の声を上げる若い女たち。
    芽路子はそれを見て、ニヤリと笑った。

    だが、同時に重大な事実に気づく……
    売り切れでは芽路子もカレーが食べられない!

    我慢して行列に並んでいた1時間は何だったのか……。
    芽路子は落胆し、ガックリと道端にひざまずいた。
    そんな芽路子に手を差し伸べたのは、ラルフェだ。

    『諦めるには早いです。まだ別の手があります!』

    ラルフェは、こんなこともあろうかとこの人気カレー店に2号店があることを調べ上げていた。
    それがあるのは、この店から数キロ離れた高層ビルの最上階。
    だが、一つ問題があった。2号店もあと数分で閉店時間を迎えるのだ。

    「……それ無理ゲーじゃない」

    芽路子は絶望感丸出しの溜息を吐いて、トボトボと帰ろうとした。
    だが、ラルフェは諦める気配がまるでない。
    芽路子は、ラルフェのしつこさにとうとう折れてトランスに合意する。
    仰々しい機械に包まれたトランスユニオンと化すと芽路子は憂鬱な溜息を吐く。
    はっきり言って芽路子はこの姿が好きではなかった。

    「……トランスまでして何をする気なの? とっとと済ませてよね」
    『すぐに終わらせます。絶対にあなたにカレーを食べさせますから……』

    それを聞いて芽路子は嫌な予感がした。
    ラルフェは使命に燃えると、時たま暴走してしまう傾向にあった。
    嫌な予感は的中し、芽路子の身体は、猛スピードで道を越え、雑居ビルを越え、一直線に高層ビルへと突き進む。
    そして気がつけば、芽路子は高層ビルの壁を蜘蛛のように這い上がっていた。
    カレー店に着く頃、高所恐怖症の芽路子が恐怖のあまり失神していたのは言うまでもない。

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  • 鬼道丸

    鬼道丸

    ジスフィアから甘味を求めてやってきた鬼の使者。
    派手な格好にくわえ、口を開けば若者言葉と、とてもギャル。
    本人曰く、芽路子はニコイチでズッ友。

    トランス!

     当麻 芽路子 & 鬼道丸

    当麻 芽路子 & 鬼道丸

    「はぁ………」

    芽路子は今日も、ひとり日差しのもとを歩いていた。
    しかし、いつもとは異なり口から出るのは独り言ではなく溜息ばかり。

    先日、盟約を交わしたテトラヘヴンの死神・タナトスは、とにかく明るく死を説いた。
    威圧的ではなく、まるで教師のように、死とはどんなにすばらしいものであるかを説いていくのだ。

    さすがにそんな話をいつまでも聞かされ続けては芽路子でさえも嫌になる。
    とっさに出した使者カードでタナトスをテトラヘヴンに強制送還したのだ。
    それがつい10分ほど前の話である。

    「もう嫌…死神なんて……結局理想なのよ……」
    「じゃあ鬼はどうよ?メッチャ強いよ~」
    「鬼なんてどうせ退治されるじゃない…」
    「それは童話とかの話っしょ?アタシは違うけどな~」
    「ていうかアンタ誰よ!!」

    陽気な声に振り向けば、そこには着物のような和服を着た、ピンク髪の派手な少女が芽路子の隣を歩いていた。

    ピンク髪…眼帯……DQN…厨二病……ヤバイ…

    あまりにも派手過ぎるその少女に、芽路子はもはや言葉も出なかった。

    「ねぇねぇ、アンタ、定理者っしょ?」
    「……な、なんの話?」
    「隠さなくていーって!私も使者なんだけど、さっき、使者を門カード??で送り返してるの見ちゃったんだから!」

    まさかあれを見られていたなんて…!
    芽路子には嫌な予感しかなかった。

    「ところでさ、こっちには、うまかわな甘味があるんしょ?アタシ、それ食べたいんだよね!案内してよ!」
    「なん、なんで私が…!」
    「こっちでアタシがひとりうろついてたら怪しさMAXじゃね?でも、定理者が近くにいるなら別っしょ。だからヨロ!」
    「はあ?私になんの得もないじゃない…」
    「甘味ご馳走してあげるからさ!んね、んね!?」

    キラキラとした片目をこちらに向け、いつまでも食い下がる少女。
    通りすがりの人の視線も後を絶たず、芽路子は今日一番の盛大な溜息を吐いた。

    「わかったわよ……食べたらとっとと帰りなさいよ」
    「マジ!?あざお~!あ、ところで名前なに??アタシ、鬼道丸!」
    「……芽路子」
    「芽路子ね!りょりょ、早くいこーよ!」

    「ま、待ちなさいよ…!」

    芽路子の手を取り、鬼道丸は飛び跳ねる勢いで駆け出した。
    行く店は決まってんの、方向わかってんの、と問う暇もなく、鬼道丸に引き摺られないよう、
    芽路子も必死で足を動かした。

    「芽路子、ゴチ!」
    「……わ、私のお金が…リア充デザートになってしまった…」

    結局、鬼道丸の行きたい店は決まっていたらしく、芽路子は流れるように入店した。
    そこで注文したデザートは季節のフルーツもふんだんに使用し、甘さも控えめで確かにおいしかった。
    しかし、鬼道丸はこの世界で使用できるお金を持っていなかった。
    カウンターにお金ではないものを堂々と並べた鬼道丸を見る店員の目が芽路子に向き、芽路子は慌てて自分の財布からお金を支払ったのだ。

    「こっちのお金ないの忘れてたんだって~!めんごめんご!」
    「それなのにどうして食べたいとかいうのよ…!」
    「ねぇ芽路子……アタシらってさ、もうニコイチじゃね?」
    「…は?」

    あまりに唐突な意味不明発言に、芽路子はビタリと立ち止まった。
    鬼道丸は立ち止まった芽路子より一歩前に出て、片足でくるん、と振り向く。

    「こーやってエンカして、一緒に甘味食べて、帰るってさ……ニコイチじゃん?」
    「いや、全然…」
    「まー聞いてって!芽路子と一緒に甘味食べたの、テラ楽しかった。
    芽路子、アタシと盟約して、ズッ友になろう!」
    「私は別に……意味わかんないし辞めて」
    「え~!そんなこと言わないでさ~」

    これ以上付きまとわれても困る、というのが芽路子の正直な考えだ。
    だが鬼道丸はきっとなんだかんだ言ってこの後も芽路子の傍に居座ろうとするだろう。
    どうにかして鬼道丸を他の定理者のところに追いやりたいが、芽路子のことがALCAにバレても面倒くさくなるのが事実。
    そんな芽路子に不安をいだき、鬼道丸は自分の力をアピールし始めた。

    「ねね、アタシ、めちゃんこ強いから!超怪力だよ??おっきー刀も振り回せるし、岩だって人間だって一握りでバラバラになっちゃうんだから!」
    「…人間も?」
    「え、ソコ?ソコ突っ込んじゃう系??まーいいけど…」
    「人間も懲らしめられるの?」
    「モッチ!芽路子、私の怪力、ナめてない??もう、こう……ぎゅってしたら粉々だかんね!」
    「い、いいわね…フフフ…!」

    芽路子は考えた。
    もしその怪力を私の力にできるなら、それは大いにアリではないか?と。
    その怪力を以てして、握りつぶすまではいかなくても、脅したり、懲らしめたりと、
    芽路子にとっての利点が多そうだ。

    「盟約してあげてもいいわ。その代わり、私が力を揮いたいときは迷わず貸しなさい。
    そうしたら、月1回までならリア充デザートも食べさせてあげる」
    「本当に!?さっすが芽路子~~!」
    「”ニコイチ”にも”ズッ友”にもなってあげるから、約束は守りなさいよ」
    「あったりまえじゃーーん!」

    フフ……勝った!オカルトの力と使者の力で、私に逆らうリア充はいなくなるのよ!

    鬼道丸はニコニコと芽路子の手を取り、その手を高く掲げた。

    「芽路子!今日からアタシ達、ニコイチでズッ友だかんね!」
    「そ、そうね、アンタと私は”ニコイチ”で”ズッ友”よ!」

    ………ところで”ニコイチ”と”ズッ友”ってなに?

    その後、芽路子は「ニコイチ」「ズッ友」の意味を調べ、丸5日間自室に籠った。

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  • タナトス

    タナトス

    テトラヘヴンの死神。死神とは言えない明るい性格の持ち主で、死について授業のように語る。
    一際暗い芽路子の性格を面白がり、セプトピアに来て観察していたが、ある事をきっかけに盟約することになった。

    トランス!

     当麻 芽路子 & タナトス

    当麻 芽路子 & タナトス

    「まーた暗い顔してる!この子、本当にかわいい…!」

    テトラヘヴンの死神であるタナトスは、セプトピアで人の波に紛れながら
    暗い顔で道行く人を睨みつつ歩く少女……芽路子を観察していた。

    事の発端は、数か月前。
    セプトピアの様子が分かる鏡を覗いていたところ、アストライアーに諫められた。
    その時、つい売り言葉に買い言葉で、セプトピアに行くことを宣言してしまったのだ。

    「まあ最初はどうなるかと思ってたんですけど…来てよかったです」

    だってセプトピアは飽きることがないし、なによりあの子が本当に面白い!

    タナトスが芽路子の観察を始めて1週間ほどだが、彼女は本当にタナトスを飽きさせなかった。

    常に下を向き、周囲を睨みながら歩く。
    (悪いことはしていないし、噂されてもいないのに!)
    街中でカップルを見つけたらぼそぼそとつぶやく。
    (何を言っているか分らないけど、すっごい声低くなるんですね!どこから出てるんですか?)
    自室で黒い魔女帽子にマントを羽織り、不思議な色の鍋を混ぜる…
    (魔女になりたいのでしょうか?変な人!)
    (どうやって覗いたかなんて、秘密です!)

    「どうせなら、ヒトコト死にたいって言ってくれればすぐ魂を地獄に運ぶのにな…」

    はあ、と軽い溜息を吐いたとき、タナトスはなおも芽路子の後を追った。

    芽路子はふと、悪寒を感じた。

    何これ…なんか、寒い!

    今日も道行く人々に(心の中で)恨みつらみを呟いていた芽路子だったが、
    突如襲った強烈な寒気に、思わず路地裏に一歩逸れた。しかし、それは間違いだったようだ。

    「あん?姉ちゃん、ココ今通れねぇぞ」

    金髪で、目つきが悪く、サングラスに着崩した服…
    芽路子の中で最悪に入る部類の男たちが、数人道をふさいでいた。

    最悪!なんでこんな典型的な路地裏にいるのよ!馬鹿なの!?

    芽路子は心の中で考えられる限りの罵倒で男たちを罵るも、実際口から出てくるのは吐息だけ。
    男たちが一歩も動かない芽路子に近寄ろうとしたとき、ヌッと芽路子の背後から青髪の美女が現れた。

    「あら?こんな暗いところで何をしているんですか?死にたいんですか?」
    「な、なんだてめぇは!」
    「なんだとはなんですか、私はタナトス、死神です」

    ………

    目が、点になった。

    「お前、大丈夫か…?」
    「失敬ですね。私は本当のことを言ったまでです。それとも、そんなに死にたいんですか?
    極楽浄土は無理ですが、地獄になら連れて行ってあげますよ」
    タナトスはとびきりの怪しい笑顔を、男たちに送った。

    「おい、ずらかるぞ!こいつ、やべぇヤツだ!!!」

    男たちは見てはいけないものを見る目でタナトスを見ながら、芽路子とタナトに背を向けさらに路地の奥深くへと走り、次第にその姿は見えなくなった。

    「やばいヤツと言われてしまいました…」
    「……ところでアンタ、」
    「そうでした、芽路子さん、大丈夫でしたか?」
    「別に……アンタ、使者でしょ」
    「わかりますか?」

    芽路子に話しかけられたタナトスは、嬉しそうに肯定の言葉を返した。

    「さっきの言葉も本当ですよ。私はテトラヘヴンの死神、タナトスといいます」
    「……私は芽路子。ねえ、タナトス、私と盟約しなさい」

    芽路子は極めて冷静にタナトスに語りかけたが、内心では感情が爆発していた。

    ついに出会ったー!これこそ私の求めていたTHE・死神!
    コイツと盟約すれば、私も念願の死を操る力を手に入れる…!
    そうしたらちょっと痛いものを見る目をよこすリア充をこの手で懲らしめてやる…!

    一瞬、小さな違和感を感じたが、それよりも念願の使者に出会えた興奮の方が大きい。
    必死に顔に出ないよう取り繕うが、芽路子の口元は怪しく歪んでいた。

    「ま、まずは合体してみない?」
    「ええ、構いませんよ」

    タナトスと芽路子がそれぞれ手を重ね合わせると、まばゆい光が2人を包み、
    芽路子の身にまとう色が赤へと変わった。
    赤と青を基調とした大きな刃の鎌は、芽路子を一層興奮させた。

    『芽路子さん、どうですか?』
    「ふ、ふふふ…!問題ないわ!これこそ私の求めていた力!」
    『それは良かったです。私も芽路子さんと合体できるなんて…フフ、夢のようです』

    そうして2人は合体を解除し、改めて向き直り、盟約を交わした。

    「改めて、これからよろしく、タナトス」
    「はい、よろしくお願いします。ところで、芽路子さんって、どんな死に方を考えてるんですか?」

    「……は?」
    「いっつもいっつも暗い顔してるし、人とほとんど話すこともなかったから、もう秒読みかなってここ数日観察してたんですよ!
    あ、でも楽に死にたいからってクスリはダメですよ?」

    さっきまでの落ち着いた死神らしい雰囲気はどこへやら、明るく微笑むタナトスに芽路子はきょとんとする。
    いや、それよりも語りかけられた言葉に驚愕した。

    「何言ってんの…?え、しかも観察…??」
    「え、芽路子さんこそ、死にたいんじゃないんですか?」
    「死ぬのは他のヤツ!私は死神の力を揮いたいの」
    「そんな、いきなりは難しいですよ~!死神の鎌で刺したり、冥府の使いの召喚はできますけど、
    合体していても死を操るのは、直接の死の経験がないと難しいんです。
    そしてその経験を積むには死んで地獄に行くのが一番!だから芽路子さん、まずは一度、元気に死んでみませんか!?きっと性格も明るくなりますよ!」

    「余計なお世話よ!それに、死んだら合体できないじゃない!」
    「んん……?確かにそうですねぇ…。
    あ、でも、その時は私が地獄まで行って芽路子さんの魂を迎えに行きます!
    もとから芽路子さんの魂を地獄に送りたいなって思ってたので!タナトスの送迎は安心安全が第一なんです!」
    「なんで私が地獄に行かなきゃならないの!」

    ヤバイ!!この死神、だめな死神だ!

    そしてあの盟約から数日たつ今も、タナトスは今日も死への言葉を芽路子に贈るのだった。

    「芽路子さん、どんな死に方がご希望ですか?」
    「むしろアンタはなんで私が死ぬと思っているの?」

    がっかりとした表情で問いかけてくるタナトスに、芽路子は睨みつけながら質問を返す。

    「だって芽路子さん、相変わらず死にたそうな表情をしているじゃないですか。初めてちゃんと会った時も、とっても表情が暗かったし、私が死神だとわかると笑ったから、死神に会いたかったんだな、って…」
    「…そりゃ、死にたいときもあるけど、本当に死にたいわけじゃ……」
    「そうだったんですか…?芽路子さんみたいに暗い人、私、初めて見たので…。手には数珠持ってるし…死神に会って嬉しがるなんて、死ぬ準備万端の人に見えるじゃないですかぁ…」
    「………」
    「芽路子さん、大丈夫ですよ。悲しむ人なら私がいます!またお迎えに行くまで芽路子さんに会えなくて、私は悲しいです!なので、まずは終活!死んでみませんか!?」
    「だからなんで私が地獄に行かなきゃならないのよ!」

    また厄介な使者と盟約してしまった………

    芽路子は、今日も激しく後悔した。

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