キャラクター&ストーリー

  •  剣 美親
  •  揺音 玉姫
  •  クロエ・マクスウェル
  •  五六八 葵
  •  揺音 聖那
  •  アシュリー・ブラッドベリ
  •  ジークハルト・クラウス
  •  当麻芽路子
  •  明日葉 学
  •  オルガ・ブレイクチャイルド
  •  七星 縁
  •  ヴェロニカ・アナンコ
  •  ジゼル・サンダース
  •  ニーナ・アレクサンドロヴナ
  •  リオネス・エリストラートヴァ
  •  京橋万博
  •  橘 弥生
七星 縁
七星 縁ななほし ゆかり
性別 女性
年齢 -
身長/cm 155
体重/kg 48
血液型 0型
生年月日 3月3日
好きなもの スタミナ料理(ハイカロリーなもの)
嫌いなもの こんにゃく、ところてん、しらたき

ALCAナイエン支局に強制招集されてきた新人定理者。
入局前は女子サッカー部のマネージャーを務めていた。

世話好きで家事が上手、特に料理は得意。
他人のことをよく見ており、相手の長所を素直に褒めることができる。
盟約者が現れるまでは他のメンバーのサポート役を自ら引き受けていたが、
彼女のそんな優しい性格が、新たな盟約の鍵となる。

盟約者フォーリナー

  • アリオール・ラプトレス015

    アリオール・ラプトレス015

    トリトミーからやってきた、戦闘・狩猟用の鷲型ロボット。
    セプトピアに来たのは、
    自分に似た「鷲」という生き物を見たいため。
    大量生産された機体のひとつに過ぎなかった彼も、
    縁と出会ったことで独自の個性が芽生えつつある。

    トランス!

     七星 縁 & アリオール・ラプトレス015

    戦士になる時

    アリオールと合体した縁は空に飛び立った。
    縁はできるだけ街のすべてを見渡したかった。
    自分の身体がいくつもあれば、玉姫のところにも、学のところにも、クロエのところへも、すぐに飛んで行って手助けしたかった。
    しかしそれは不可能だ。
    縁が選んだ場所は、高度1000メートルの上空だった。

    『攻撃地点の全座標は確認した。いつでも準備はできている』

    アリオールの無機質な声が耳元で聞こえた。
    ――上空から一気に敵を撃破する。
    それが縁の選んだ戦いだった。

    「……」

    縁は黙ったまま、街のあちこちで上がる火の手や黒煙を見つめていた。
    その険しい表情は、いつもの穏やかな縁は別人のようだ。
    (今は私が先輩たちを助ける番!)
    縁は自分に言い聞かせると、パンと両手で頬を叩いて気合を入れた。

    「やりましょうアリオール!!」

    次の瞬間、縁の全身のあちこちから機械が起動する音が響き始めた。
    両肩と腰に装備したビーム砲に充填されるエネルギー。
    機械に翼に取り付けられたミサイルもブイインと音を立てて微かに震えている。

    「全弾発射ッ!!」

    縁の絶叫とともに、一斉に放たれるビームの閃光といくつものミサイル。
    街の東に、西に、北に、南に。
    縁が放った攻撃は、それぞれの地点に着弾していく。
    (上手くいった……?)
    正直、縁もすべての敵を捉えられたか、確信はなかった。
    訓練によってすべての装備を同時に使いこなせるようになったが、
    実戦で使うのはこれが初めてだった。

    「どうでした? アリオール」
    『攻撃目標14体のうち、10体に着弾を確認』
    「よしッ!」

    と、喜んだのも束の間、縁の頭にある疑問が過ぎる。

    「……ん? でも残りの4体は?」
    『こちらに向かってきている』

    アリオールが言い終わるや否や、縁の目に映ったのは目前に迫る敵の姿だった。

    「えええッ……ちょっとぉ! 早く言ってくださいよ!」

    と、いつもの縁であれば動揺していた事態かもしれない。
    しかし今日の縁は落ち着き払っていた。

    「再攻撃用意――発射ッ!!」

    すぐさま向かってくる敵に向かって攻撃を仕掛ける。
    4つの閃光が真っ直ぐに敵に向かっていく。
    その光は初弾よりも遥かに大きい。
    縁とアリオールは、敵を即座に分析し、
    1度目よりも効果的な攻撃を2度目には繰り出せようになっていたのだ。
    巨大な光に包まれ、敵の姿が消えていくのが縁の目にもハッキリと見えた。

    「よし命中ッ!」

    だが、それも束の間。

    『新たなる敵が出現。地上2時の方向』
    「!」

    そこにいたのは、巨大なトカゲ型の使者だ。

    「アリオール、地上にいるソルトに敵の座標を送ってください」

    縁はすぐさまアリオールに指示を送ると、敵に向かって移動する。
    敵のいる場所は、幼稚園に近かった。
    (……ビームやミサイルじゃ幼稚園に被害が出るかもしれない)
    即座にそう判断した縁はソルトと合体して近接戦闘することを選択した。
    縁は現場に向かうソルトを見つける。

    「ソルト!」

    縁が声をかけると、ソルトは振り返る。

    『飛行したまま再合体可能と思われます』
    「私もそのつもりです!」

    地面スレスレの低空飛行で、縁はアリオールとの合体を解除。
    空中に投げ出された縁の身体はソルトへと向かって行く。
    ソルトは向かって来る縁の腕をつかむと合体。
    次の瞬間、縁は敵の前に立ちはだかっていた。

    「デュアルっ コレダー!!!!」

    縁が敵に向かって飛びかかると、紫電をまとった二つの拳がその身体を打ち抜く。
    敵の姿を確認してからここまで、僅か54秒。
    一切の無駄がない見事な攻撃だった。
    戦いを終え、再び空に上がった縁は、赤く染まる空をふと見つめると、
    にこりと微笑みを浮かべてつぶやいた。
    「玉姫先輩、クロエ先輩、学先輩……それから剣先輩。私、もう、一人前ですか?」

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  • ソルト・ヒューマノイド236

    ソルト・ヒューマノイド236

    トリトミーからやってきた、戦闘用アンドロイド。
    大型のレーザーソードを武器に、
    命令に従い、冷静沈着に戦闘任務を遂行する。
    セプトピアに来たのもあくまで任務のためだったが、
    縁との出会いは彼女にどんな変化をもたらすのだろうか。

    トランス!

     七星縁 & ソルト・ヒューマノイド236

    戦闘アンドロイド・ソルトの或る朝の風景

    新たにセプトピアに開かれた門。

    それは、未曾有の超科学技術を有した異世界、トリトミーに通じる門だった。

    トリトミーからやってきた使者たちの目的は、調査や研究、あるいは単なる観光と様々だったが、中には魔法の様な超科学技術を乱暴に駆使し、勝手気ままに振る舞う者達もいた。

    ALCAは早速その対処のため、友好的な使者と盟約を結んだ定理者たちを招集。

    その中には、トリトミーの戦闘アンドロイド・ソルト236と
    新たに盟約した七星縁の姿もあった――

    ALCAナイエン支局の、定理者が生活するハウスサロン。

    ここの掃除洗濯といった家事一切を仕切っているのが、定理者・七星縁である。
    もともと、盟約者を得るまでの、せめてものお手伝いと始めたことだったが、
    盟約者を得た今も、縁は望んで引き受けている。

    今日も縁は、自ら料理した食事をテーブルに並べ、チームの皆にふるまう。

    「しっかりした食事管理も、定理者の努めなんですよ」

    チームのメンバーたちが舌鼓をうつ中、ひとり、箸をつけずにいる者がいた。

    異世界トリトミーから来た、縁の新たな盟約者の一人。

    元は戦闘アンドロイドの、ソルトだ。

    未曾有の超科学技術を有した異世界、トリトミーに通じる門が開き、多くの使者が現れた。

    彼らの目的は、調査や研究、あるいは単なる観光と様々だ。

    だが中には、魔法の様な超科学技術を乱暴に駆使し、勝手気ままに振る舞う者達もいる。

    ALCAは早速その対処のため、友好的な使者に協力を依頼した。

    依頼に応じたトリトミーの使者たちの中には、セプトピア防衛の任務を与えられた戦闘アンドロイド・ソルト236の姿があった。

    そのソルトと盟約を結んだのが、ナイエン支局の定理者・七星縁である。

    セプトピアのロジックに適応した今は、ソルトも一見、普通の女性に見える。

    ただあまりに無表情なので、はたから見ると何を考えているのか、ちょっとわかりにくい。

    「ソルトさん、ご飯、お口に合いませんでしたか?」
    『そうではありません、縁』

    人間同様の身体になったソルトに、特に苦手な食事はない。しかし。

    『縁、前にも意見具申しましたが。
    このニザカナ、という栄養補給方法には問題があります』

    「えっ? 美味しくありませんでした? 自信、あったんだけどな・・・」

    『いえ。セプトピアのロジックに適応した現在の私が有する味覚、と呼ばれるセンサー。
    この感覚器から入力される情報には価値を認めます』

    「うんうん、この味付けは、母から教えてもらった秘伝の味付けなんですよ?」

    『私の問題提起はそこではありません』

    「じゃあどこです?」

    『今回の補給にあたっては、この様に』

    ソルトの右手が素早く動くと、皿の上の煮魚から次々と細かい骨が抜かれ、脇にのけられていく。

    『このコボネと呼ばれる部位を除去するために、約23秒の時間を浪費しています』

    「箸の使い方、上手くなったよね」

    『これより扱いの難しい武器はいくらでもあります。
    そうではなく。単位時間あたりの摂取カロリー、つまり栄養補給効率を私は問題にしています』

    「いつもソルトは食べるの早いよね。よく噛んで食べてる?」

    『消化器官にも問題はありません。それより』

    卓上の、湯気を立てている湯のみをさすと、

    『このオチャと呼ばれる飲料についても、同種の問題があります』

    「自分でお茶葉を焙じてみたんですよ、良い香りでしょう?」

    『確かに、私の嗅覚でも同様の評価を得ています。
    ――そうではなくて。
    縁、ペットボトル、と呼ばれる容器に、
    すでに抽出済みかつ速やかに接種可能な温度の同種の飲料が、用意されています。

    そちらを提供した方が、効率的な水分補給を行えるのではないでしょうか』

    『毎回、茶葉からエキスを抽出し数杯分の飲料を作成するのは、縁にも余分な負担を与えていると判断します』

    「はい、冷たいお茶も良いですよね。
    でも私は、食後にはやっぱり、熱いお茶が美味しいと思うんです!」

    ソルトは改めて縁の顔を見ると、その疑問を口にする。

    『美味しい・・・ 縁、そのパラメータはそれほど重要なものでしょうか』

    「美味しいのは、とっても大事なことだよ。だって、美味しいは、心の栄養だから」

    『ココロの、栄養・・・』

    ソルトにはまだ、セプトピアの人間が
    「ココロ」と呼ぶ、その姿形のない器官の価値が、よくわからない。

    セプトピアに適応した自分に、「ココロ」があるのかも、わからない。

    ただそれを、縁たちが大切に守ろうとしていることは、理解している。

    自分がこのセプトピアに派遣された理由。
    縁と合体し戦う理由がそれだと言うのなら。

    心臓、と呼ばれる器官が、通常より早く鼓動する。

    数値化できない体温の上昇を感じる。

    これを守るためなら、私はいつでも、彼女の光の剣となろう。

    今日も縁の笑顔を見ながら、ソルトは己の任務を再確認していた。

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  • 七輝のサンドラ

    七輝のサンドラ

    モノリウムからやってきた、孔雀鳥人少女。
    本来オスにしかない飾り羽を持って産まれたため、
    凶兆の象徴とみなされ、迫害を受けて育った。
    そのため、いつもオドオドとした気弱な性格。
    セプトピアに来たのも、迫害から逃れるため。

    トランス!

     七星 縁 & 七輝のサンドラ

    すくわれる時

    「まず卵白だけを泡立ててメレンゲにしておいて、
    それから黄身を入れてかき混ぜると美味しいオムレツができるんです」

    縁がそう言ってやってみせると、サンドラは興味深そうに見つめて、ポツリとつぶやいた。

    『……私も、やって、みたい……』
    「もちろんです! どうぞ!」

    そしてサンドラは縁がやった通りのことをぎこちない手つきで始める。

    サンドラがALCAの保護下におかれると、縁に世話をするよう命令が下った。
    そんな命令がなくとも、縁はそうするつもりだった。
    ALCAにきたばかりのサンドラは、誰とも口を聞かず、
    いつもオドオドと何かに怯えているようだった。
    さらに、身体には至るところに傷痕があった。
    おそらく元いた世界で迫害され、辛い思いをしていたのだろう、と想像された。
    一体どうすれば心を開いてくれるのか――
    サンドラの深い心の傷の前にALCAのスタッフも方法がわからず、縁に託すしかなかった。

    (少し時間はかかるかもしれないけど……)

    そんな不安を感じながら、縁はことあるごとにサンドラに家事の手伝いをお願いした。
    一緒に施設の掃除をし、洗濯をして、ご飯の支度もやった。
    それで心を開いてくれる――
    確信はまるでなかったが、できるだけ一緒にいて一生懸命話しかける。
    縁にはそれしか思いつかなかった。
    その甲斐があってか、最近サンドラはポツポツとやっと言葉を出せるようになり、
    縁はホッとする気持ちだった。

    「ごちそうさま! じゃあサンドラ洗い物を手伝ってください」

    夕飯のオムレツを食べ終えて、皿を片付けようとした時だった。
    サンドラは立ち上がらず、暗い表情でうつむいている。

    気分が悪いんですか? ひょっとして食あたり!?」

    縁が慌てて訊ねると、サンドラは首を横に振って、小さな震える声で言った。

    『……縁……いつも一緒にいる……でも急にいなくなる』
    「え? ああ、急な出撃がありますから……」
    『帰ってくる……怪我してる……かわいそう……』
    「私もまだまだですからね。もっと強くなりたいですけど……」
    『縁の……力に……私、なりたい!!』
    「え……それって……」

    思いがけないサンドラの言葉に、縁は驚いた。

    『私と縁、盟約……私となんか迷惑……?』

    今度、縁が大きく首を振った。

    「そんなことありません! よろんで! 盟約しましょう!」

    こうして心を開きかけたサンドラと縁は盟約を交わし、早速合体のテストをすることになった。

    『大丈夫……かな……、上手くいく、かな……』
    「大丈夫です。私を信じて」

    緊張するサンドラを縁は何度も励まし、最初の合体を開始する。
    眩い光に包まれた後、縁は閉じていた目を開ける。そして、ゆっくりと自分の身体を確認した。

    『やっぱり……』

    自分たちの姿を見て、落胆するサンドラの声。
    それは、縁の身体に「尾羽」がついていたからだ。
    オスにしかついていないその尾羽が、メスのサンドラにあったために、
    サンドラは一族に「凶兆」を呼ぶものだと迫害を受けたのだ。
    あの頃の辛い思い出が脳裏をフラッシュバックしていく。

    (もう、イヤです! こんな姿見たくない!)

    思わず叫び出しそうになったその時だった。

    「すっごーい! キレイ!!!」

    縁の声が弾んだ。

    『え……』

    サンドラの驚きに気づかず、縁は興奮しながら尾羽を広げた。
    「この羽とってもキレイ……嬉しいな、こんな姿になれるなんて……
    サンドラ、あなたと合体できてとっても幸せです!!」

    縁は目を輝かせ言った。
    心の傷の原因であった「尾羽」を生まれて初めて誉められたサンドラ。
    驚くよりも救われた気持ちが広がっていった。

    『うん、私も……』

    胸いっぱいのサンドラはそう答えるのがやっとだった。

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  • ケツァルコアトル<br>(ケッツー)

    ケツァルコアトル
    (ケッツー)

    テトラヘヴンからやってきた、蛇の魔神。
    マスコットの様な可愛い姿はセプトピアに適応した姿で、本来は翼ある大蛇の姿をしている。
    自分を畏れ敬う相手を求めていた。

    トランス!

     七星 縁 & ケツァルコアトル

    ディナー・オア・ダイ

    ――作戦が始まった。
    ケッツーと合体した縁は、アシュリーと葵を抱え、輸送機から飛び立った。

    「うわあああああッ!!」
    「きゃあああああッ!!」

    高度33000フィートからの急降下に思わず悲鳴を漏らすアシュリーと葵。
    だが、縁の表情は引き締まったままだ。
    縁の使命は、アシュリーと葵の2人を研究所まで無事届けること――。
    雲を突き抜けると、眼下に研究所が見えてきた。
    そして、その周辺に上がる火柱も。
    (あれはクロエ先輩が……)
    地上で陽動作戦をしているクロエの奮闘を想像し、縁はいっそう気持ちを引き締める。
    縁とは対照的に、

    『なア! なア! なア! これが終わったら何を食わせてくれんだ!?』

    ケッツーには緊張感がまるでない。
    ため息混じりで返す縁。

    「……なんでも作りますよ。ケッツーは何が食べたいですか?」
    『そうだなァ、ええと……あ、焼き鳥!』

    その瞬間、バサッと羽音が聞こえたかと思うと、黒影が縁たちを覆った。
    鋭い眼光を放つ鳥型の使者が3体。縁たちの周りを羽ばたいている。

    「ケッツーが焼き鳥を食べたいなんて言うから!」
    『オレのせいじゃねぇ!!』

    だが、縁は落ち着いていた。

    「しっかりつかまっていてください! あと、目が回りますので気をつけて!」

    アシュリーと葵に声をかけると、迎撃態勢に入る。

    「いっきますよぉおおおおおお!!!」

    縁が叫んだ瞬間、竜巻が大蛇のようにうねり彼女の身体に巻きつく。
    そして、敵たちに突進していった。
    その衝撃と竜巻に巻き込まれ、一瞬にして3体の敵は飛行能力を失い、
    空から地面へと真っ逆さまに落ちていく。

    「お見事です……!!」
    「落ち着いてますね、さすがベテランです」

    縁の手際よい攻撃に、感心の声を上げるアシュリーと葵。
    ところが縁は、
    (わ、私がベテラン……??)
    と、照れて頬を赤らめた。

    『当たり前だ! オレの巫女を舐めんじゃねえ!!』

    口は悪いがケッツーも縁が誉められて嬉しいようだ。
    それを聞いて縁は苦笑いを浮かべていると、再び羽音が聞こえた。

    「!!」

    新たな鳥型の使者が縁たちに接近しようとしている。
    しかもその数は数えきれないほどの大群。
    本部を襲っていた使者たちが研究所の異変を察知し引き返してきたのだ。
    (けど、今はこの2人を届けないと――)
    縁は再び気を引き締めると、研究所に向かって急降下を始める。
    使者の大群を振り切るつもりだ。
    それを見て使者たちもスピードを上げる。
    残り300メートル、200メートル、100メートル……。
    研究所が縁の目の前に迫って来た。
    (あと少し……もう少し……)
    だが、その瞬間、縁の身体に激痛が走る。
    敵の鋭い嘴が縁の背中を斬り裂いたのだ。

    「うッ」
    『縁ッ!!』

    ついに縁は追いつかれ、続々と敵たちが襲いかかる。
    縁は痛みに耐えながら必死にアシュリーと葵を庇った。
    (なんとか2人を送り届けなきゃ……でも、どうすれば……? あ、そうだ!!)
    絶体絶命の危機の中で、縁は彼女の存在を思い出した。

    「ケッツー、サンドラと交代です!」
    『わかった! 縁、死ぬんじゃねぇぞ!! 晩飯ちゃんと作ってもらうんだからな!!』

    ケッツーの別れの言葉に、微笑む縁。
    次の瞬間、眩い閃光が彼女を覆った。
    ケッツーとの合体は解除され、ゲートカードから現れたサンドラと新たに合体する。
    一方、 縁の手を離れたアシュリーと葵は、

    「「きゃあああッ!!!」」

    地面に向かって落下していく。

    「サンドラ、風を!!」
    『――っ!!!』

    縁は、手に握った鮮やかな羽でできた扇を2度振るう。
    最初に起こった風は、囲っていた敵たち吹き飛ばし、
    2度目の風は落ちていくアシュリーと葵に向かって吹いていく。

    「!?」
    「風が!」

    アシュリーと葵の身体はその風に乗り、再び上昇。研究所へと運ばれていった。
    それを見て、使命を果たせたとホッと胸を撫で下ろす縁。
    だが、まだ安心はできない。
    相変わらず敵の大群に囲まれたままなのだ。

    『だ……大丈夫……縁、私が守る……』

    サンドラの小鳥のような優しい声が聞こえた。
    縁は嬉しそうに、小さく頷く。

    「ありがとう。この戦いが終わったら、サンドラは何が食べたいですか?」

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  • 輪菌のシータ

    輪菌のシータ

    モノリウムからやってきた、キノコの獣人少女。
    見た目によらず博識で、モノリウムの植物に精通。
    セプトピアには研究目的でやって来たが、
    好奇心旺盛で、気になったことは調べずにはいられない。
    武器は多彩なキノコを詰めたキノコポットと、そこから放たれる様々な胞子。

    トランス!

     七星 縁 & 輪菌のシータ

    危険なディナー

    「さあ、シータさん特製、キノコ砲弾です!」
    キノコポッドからポンポンと胞子が飛び出し、次々敵にまとわりつくと、
    それを吸い込んだ敵が力を失い倒れていく。
    それを見て、縁はホッと一息。敵を倒して安心したわけではなく―
    シータに振り回された疲れからくるものだった。

    モノリウムからやってきたキノコの獣人少女にして、天然のマッドサイエンティスト、
    好奇心旺盛なシータにとって、
    セプトピアの世界はまだまだ興味深い不思議なものであふれているようで、

    『これは興味深い!』

    と、集中モードに入ると、合体のことも忘れ、戦闘そっちのけで調べものを始めてしまう。
    今回の戦闘でも、シータの気持ちを戦いへと向けるのに一苦労だったのだ。
    縁とシータは合体を解除して、支局に戻る。
    するとシータは一目散にどこかへ向かって行った。

    「シータさん、またですか!?」

    慌てて追いかける縁。
    シータがやってきたのは台所だった。

    『戦闘中、美味しそうな料理を思いついたの』
    「……やっぱり」
    『だから、今晩は私が料理を振る舞おうと思って』

    ニッコリと笑うシータ。
    ひきつった笑いを浮かべる縁。
    自分の研究のためにセプトピアにやってきたシータは、
    盟約することになった縁の日常を見ていたと思ったら、突然「料理」に興味を示したのだ。

    『様々な材料を組み合わせ加工し、まったく別の、料理というものにしてのける。
    この技術は大変、興味深い! 私もやりたい!!』

    しかし― 今まで縁が口にしてきたシータの料理は激マズなものばかり。
    縁ひとりであるなら、我慢して口にしてきたが、仲間たちが口にしたら……
    今後のALCAの業務に支障をきたすことは間違いない。
    けれども、目を輝かせて楽しそうに料理をしているシータを見ていると、
    悪い気がして縁には止めることができなかった。

    と、迷っている傍から、シータが割った卵は殻が入ってグチャグチャに。

    「あああ! シータさん慌てず卵は一個一個丁寧に割りましょう!」
    『む?卵の殻は混じってはいけないのか?カルシウムが摂れると思うのだが―』

    息つく間もなくコショウを取り出すシータ。
    その危なっかしい手つきはドバーッとコショウが入りそうな予感がプンプン。

    「ダメですシータさん、コショウは味見しながら少しずついれてください!」
    『ぬ?コショウには薬効があるのだが・・・なるほど、適量は確認するべきだな!』

    『よーし綺麗に切れた!』
    「ダメですシータさん、具はもっと細かく刻んでください!」

    『―隠し味・・・ よかろう、これだな!』
    「ダメですシータさん、隠し味はちょっとだけです!板チョコ1枚丸ごとはダメ!」

    『ナツメグがない! では私特製のこれを代わりに!』
    「ダメですシータさん、その怪しいキノコ粉を入れるのは止めて!」

    その後もファインプレーで、シータのデンジャラス・クッキングを回避していく縁。

    『ありがとう縁。今夜の料理は上手くいきそう。きっと、忘れられない味になる!』

    シータの笑顔にホッとした気持ちにもなるが、縁の苦労の日々はまだまだ続きそうだ。

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  • 蓮香仙女

    蓮香仙女

    仙術を得意とするジスフィアの仙女。
    他人のために尽くすことが好きな、心優しい性格の持ち主。ジスフィアでも名を馳せる仙術の腕前を持つ。とある魂を求めてセプトピアにやってきたところ、縁と出会い、運命のように盟約を結んだ。

    トランス!

     七星 縁 & 蓮香仙女

    七星 縁 & 蓮香仙女

    縁は、困惑していた。

    「縁さま、お寒くはないですか?ひざ掛けをご用意したので、ぜひどうぞ」
    「明日はお天気が悪いようです。本日中にお洗濯を済ませておきます」
    「お醤油がもう少しでなくなるので、私、買ってまいりますね」

    「あ、ありがとうございます…蓮香仙女さん」

    ―落ち着きません…!

    縁の傍ら、甲斐甲斐しく世話をしているのはジスフィアからやってきた使者、蓮香仙女。
    彼女はとある魂を求め、このセプトピアにやってきたという。

    ―でも、蓮香仙女さんはどうして私の世話をしてくれるのだろう?

    そういえばと、縁は思った。実はまだ縁と蓮香仙女は盟約をしていない。
    それどころか、出会ったのはつい先日。街中でぽつんと佇む蓮香仙女に、縁が声をかけたのが出会いだった。
    街の景色からに馴染んでいない彼女を見て、使者がいることにも驚いたが、
    縁はなぜだか彼女に声をかけなくてはいけない気がした。
    そうして声をかけたところ、蓮香仙女は蕩けるような甘い笑みを見せ、そのまま縁に導かれこのALCAに滞在している。

    「蓮香仙女さん、貴方は街中で何を探していたんですか?」

    縁のためにお茶を入れている蓮香仙女に疑問を投げかけると、蓮香仙女はぴたりとその手を止め、縁との距離を縮めた。

    「私は仙術を用い、私が想い続けるただ一人の魂を探しておりました。大好きな、あの方の魂を。
    私の生き甲斐といえば、その方の為にこの身を尽くすことでした。
    …しかし、ジスフィアにその魂は輪廻していなかったのです。」

    「そんなことってあるんですか!?」

    「実際にあったようなのです。あの方の魂はどういう理か、ジスフィアでの輪廻から外れ、魂のままこのセプトピアに来たようです。そして、このセプトピアで長い時を経て人間になった……それが、縁さま、貴方様です」

    蓮香仙女は、薄らと頬を薄紅色に染め、瞳を濡らしながら縁の顔を覗き込んだ。
    その瞳の中の人間離れした虹彩に、思わず縁も息をのんだ。

    「私…ですか??」

    「はい、間違いなく、縁さまの魂はあのお方のもの。
    鏡に映した水面のように澄んだ魂のお色を、私が間違えることもございません」

    どこまでも優しいほほ笑みを携え、美しい声色で喜びを音にする蓮香仙女。

    「縁さま。どうか、私と盟約をして頂けませんか?」

    「蓮香仙女さんと?私が??盟約を…!?」

    あまりに突然の話が多すぎて、縁の頭はオーバーヒート寸前となっていた。
    しかし蓮香仙女はそんな縁に、さらに言葉を続けた。

    「はい。こうして異世界…セプトピアで私たちが出会うのも、運命だったのではないかと思います。
    私の仙術では、このような予見はできませんでした。
    でも貴方となら……私一人では見えない運命も、見える気がします」

    「運命……」

    ふと、縁にはあの日のことが思い浮かんだ。
    ―あの時、私に定理者の才能が目覚めてALCAに召集されたのも、運命?

    「縁さま、運命は確かに存在するものです。でも、変えることもできるのですよ」

    まるで心を見透かされたかのような答えに、縁はキョトンとした。

    「あの方の魂と同じ縁さまのお気持ち、仙術を使わなくともお見通しです」

    「…蓮香仙女さんってば、ずるいです」

    軽く頬を膨らませ蓮香仙女を見上げれば、ほほ笑みを返された縁。
    蓮香仙女と描く運命はどんな形だろう。
    そして、未来は、どんな色をしているのだろう。
    縁の心は決まっていた。

    ―…というよりも、今の話を聞いて、混乱はあったものの、
    蓮香仙女の思いは縁の心にスッポリと当てはまった。
    ずっと前から盟約をしていたような、心が通じ合っているような…そんな気さえしてくる。

    「蓮香仙女さん。これからは私にも貴方のお世話をさせてくれますか?」

    「それとは話が別ですよ、縁さま。ですが……そうですね、ぜひ、縁さまの手料理を頂いてみたいです」

    「もちろんです!とっておきのお料理を用意しますね!」

    縁と蓮香仙女が仲睦まじくキッチンに立っているのをALCAの局員が目撃するのは、
    もう少し先のお話である。

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