キャラクター&ストーリー

  •  剣 美親
  •  揺音 玉姫
  •  クロエ・マクスウェル
  •  五六八 葵
  •  揺音 聖那
  •  アシュリー・ブラッドベリ
  •  ジークハルト・クラウス
  •  当麻芽路子
  •  明日葉 学
  •  オルガ・ブレイクチャイルド
  •  七星 縁
  •  ヴェロニカ・アナンコ
  •  ニーナ・アレクサンドロヴナ
  •  ジゼル・サンダース
揺音 玉姫
揺音 玉姫ゆりね たまき
性別
年齢 17歳
身長/cm 159
体重/kg 47
血液型 A型
生年月日 1月3日
好きなもの 甘い物全般(特に大福など和菓子)
嫌いなもの 食品添加物

運動も勉強もできる真面目な少女。
そんな気丈に振る舞う彼女も、人から甘えられると弱い一面も。
何事にも一生懸命な性格。

幼少期から英才教育を受けており、中学生に上がる頃、『逆理病(パラドクスシック)』を専門に扱う医者を志して単身トーキョーへ。
その後、中学一年の時に定理者の資質に目覚めてしまい、そのままALCAナイエン支局で活動することになった。

盟約者フォーリナー

  • 竜媛皇珠 小玲

    竜媛皇珠 小玲

    ジスフィアの竜族の姫。
    一族の掟に従い、嫌々ながらセプトピアに修行にやってきた。
    が、ALCAに到着してからもワガママばかりで周囲を困らせていた。
    そこへ玉姫がお姉さんとして懐柔。見事になついている。

    トランス!

     玉姫 & 小玲

    新たな時代へ…

    厚い雲に覆われていた空から陽光が差し始めた。
    それはまるで、ALCAの作戦が成功したことを人々に知らせるかのようだった。
    各避難所で不安な日々を過ごしていた人々は、ふと手をとめて、
    天使の梯子のような光の柱を見つめた。
    ナイエン区から遠く離れた、とある高台の療養施設でも、
    心配そうに街を見つめていた一組の男女が、

    『希望の光のようですね……』
    「うん……」

    と、手を取り合っていた。

    「晴れてきたね……」
    『そうですね……』

    キュアと合体している玉姫も研究所内の窓から降りそそぐ陽光を眩しそうに見つめた。
    作戦は終焉に近づいていた。
    ゲートカードの暴走は停止。
    定理者たちは残る使者たちの掃討に動いていた。
    玉姫とキュアは逆理病者の救助を手伝いつつ、戦う仲間たちの救護に務めていた。
    (ここにもいない……)
    玉姫は逆理病者の中に、ヴェロニカの姿を探していた。
    新型ゲートカードを託された直前まで、
    玉姫はヴェロニカと一緒にこの研究所にいたのだ。
    その後、連絡は途絶え、一連の騒動に巻き込まれた可能性が高い。
    ヴェロニカのことだ。そう易々と、犠牲になることはないとは思うが――。
    今も、見つからない現状に、玉姫は不安を覚えつつあった。

    「た、タマヒメ……」
    「!!」

    振り返ると、戦闘で傷ついたクロエがやってきて、膝から倒れた。

    「さっき倒したヤツに毒があったみたい……」
    「大丈夫。お願いキュア」
    『はい!』

    玉姫は薬剤の入ったグレネード弾をクロエに向かって発射する。
    薬剤によって毒が中和され、クロエの体力が回復した。

    「サンキュー……これでまた戦える……」
    「ダメよ! 体力の回復は一時的なものなんだからちゃんと休まないと!
    今、救護班に連絡するわ」

    その時、不気味な唸り声が響き渡り、
    あらゆる計器がパラドクスレベルの急上昇を伝える。
    ズシンズシンと、足音を響かせ、巨大な鬼のような使者が近づいてきた。

    「ラスボスって感じだね……」

    立ち上がろうとするクロエを制する玉姫。

    「ここは私に任せて」

    玉姫はキュアとの合体を解除し、ゲートカードで小玲を呼び出した。

    『待ちくたびれたぞ』

    長らく呼び出されなかったことが不満なのか、頬を膨らませる小玲をなだめる玉姫。

    「それなりの強敵じゃないと、小玲を呼ぶわけにはいかないから……」

    自尊心をくすぐられ小玲はニンマリ。

    『仕方ない。わらわが力を貸してやろう』

    そんな話をしている間に、敵は間近に接近していた。
    唸り声を上げ、巨大な拳が玉姫と小玲に襲いかかる。
    合体しながら攻撃を躱した玉姫と小玲。
    空振りした敵の鉄拳で、床が大きくえぐれている。

    『馬鹿力じゃのう。どーれ、小手調べじゃ!』

    玉姫と小玲は敵に雷撃を放つ。
    敵は避けようともせず、雷撃を身体に受け止め、平気そうにニヤリと笑う。

    「さすがラスボス……」
    『なんじゃラスボスとは?』
    「最後の強い敵ってことよ」
    『なに最後!? ならば、今やらねばあの技は当分使えぬではないか!』

    焦ってロジックドライブと放とうとする小玲を止める玉姫。

    「いや、もっと敵を観察したあとにしましょう!」
    『ならん! 今じゃ!!!』

    ―そんなワガママを、とは思いつつ、素早く状況を確認する玉姫。
    研究所の廊下いっぱいにせまる巨体。腕力が強く、そしてタフな様だ。
    だが背後にはキュアと、治療したばかりのクロエがいる。
    彼女たちをかばいながら逃げるのは難しいだろう―

    「いいわ、やりましょう!!!」

    覚悟を決めた玉姫は、小玲とその技を叫ぶ。

    「『ロジックドライブ! 天竜凛雷陣!!!』」

    ロジックドライブ「天竜凛雷陣」――。
    それは、従来のロジックドライブであった「怒竜激雷陣」のグレードアップ版だ。
    玉姫と小玲を中心とした直径数十メートの範囲内に、無数の雷が降り注ぐ。
    以前の「怒竜激雷陣」は雷をコントロールしきれず、
    敵味方の区別なく攻撃してしまうこともあり、自爆に近い技であったが、
    「天竜凛雷陣」は違う。

    『「うおおおおおおッ!!!!」』

    成長した玉姫と小玲は、無数の雷を見事にコントロールし、敵に集中させる。

    『!!!!』

    雷の群れの前に身動きができず、敵はただそれを受け止めるしかなかった。
    雷の威力も以前の比ではないほど凄まじいものだった。

    『どうじゃ!!』
    「まだよ!!」

    しかし、敵は苦しみながらも笑みを見せ、雷撃に耐えていた。
    ここからは我慢比べだ。
    玉姫と小玲のロジックが敵を上回るか、敵の精神と肉体が耐えられるか――。

    『わ……わらわは竜族の姫なるぞッ!!!』

    小玲はますます雷の出力を上げていくが、敵はしぶとく耐えている。

    「―小玲、任せて」

    そう言うや否や、雷が止む。

    『玉姫!』

    悲鳴のような小玲の声が響く中、笑いを浮かべたままの鬼は大きく踏み出し、
    うつむいた玉姫にむかってその拳を振り上げる―その瞬間。
    使者に向かって顔を上げると、玉姫はあえて柔らかく微笑んだ。
    ふわりとした空気。
    その直後、玉姫の前方、拳を振り上げたままの鬼を飲み込んで、雷の嵐が吹き荒れた。

    「もう、誰も傷つけさせたりしない!」

    わずか一歩、わずか一振りとはいえ、耐える姿勢を崩した鬼は不意をつかれ、
    雷に耐える力を失っていた! 
    断続する雷撃を前に敵はついに力尽きた。
    ホッとして合体を解除すると、玉姫にオルガから通信が入った。
    それはヴェロニカが発見されたことを知らせるものだった。

    「無事なの!?」
    「足を骨折してるが、ピンピンしてる。
    自分が指揮をすれば、もっと早く解決できたってさんざん怒られた……」

    思わず苦笑いを浮かべる玉姫。

    「私とキュアも治療を手伝いにいくわ」
    「俺のロジックが聞こえる― 
    戦闘を終えた直後のお前が、体力を消耗している確率は100%だ。
    無理はするな」
    「平気よ」

    通信を切り、玉姫はキュアと小玲に目を向けた。

    『どんなもんじゃ!』

    「えっへん」と胸を張る小玲にキュアが瞳を輝かせていた。

    『すごいのですね小玲さんは! 憧れるのです!』
    『なかなか見どころのある娘じゃ。わらわの侍女にしてやってもよいぞ』
    『ジジョ? 長女はどなたなのです?』
    『姉妹の次女ではない! 侍女じゃ!!』
    『へ???』

    小玲とキュアのとぼけたやりとりを微笑んで見つめる玉姫。
    (困った「妹」たちね……)

    「新型のゲートカードが上手く使えるようになったら、
    異世界のみんなと自由に会えるんでしょ?
    なんだか賑やかになるなあ……」

    クロエがふとつぶやいた。
    異世界同士の交通を自分たちで完全に管理できるようになれば、
    この世界はきっと平和になる。
    けど、戦う理由がなくなった時、
    私たち定理者とその盟約者はどうなってしまうんだろう――
    玉姫は新たなる時代がやってくる予感を覚え、すっかり晴れ渡った空を見つめた。

    (――これから私たち何をすべきなんだろう?)

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  • 神曲乙姫

    神曲乙姫

    竜宮城の乙姫さま。
    後を継ぐはずの竜宮から出奔。セプトピアにやってきた。
    幼い頃より歌舞音曲を仕込まれ、踊りは美しく弦の響きは妙なる調べ。
    だが……致命的に歌が下手である。

    トランス!

     揺音 玉姫 & 神曲乙姫

    寄せる想いが奏でる奇跡の旋律

    その日、ナイエン区セントラルエリアの路上には美しい琵琶の音色が鳴り響いていた。

    道行く者たちがその調べに心洗われ、うっとりと耳を傾けている。
    琵琶の演奏者は気をよくすると、琵琶の演奏に乗せて自慢の歌を披露した。
    ところが歌い始めた途端、路上の聴衆たちは逃げるようにその場を去っていく。
    その演奏者・神曲乙姫は琵琶の演奏においては天才的だったのだが、
    歌声に関しては壊滅的なまでに音痴だったのである。

    『なんとか人並みに歌えるようにならないかしら……?』

    が、そんな神曲乙姫に向かって拍手する若い女の子がいた。
    ALCAのオフの日に買い物に出かけていた揺音玉姫だ。

    「あなた……使者よね? なんでこんなところに……?」
    『……ちょっと、家出を』

    神曲乙姫はジスフィアの竜宮城に住む人魚の乙姫さまだった。
    竜宮城の後継者でありながら他の人魚たちの中で唯一音痴だった神曲乙姫は、
    居心地の悪い日々を過ごしていた。

    そしてセプトピアがモノリウムとの争いを起こしていることを利用し、
    セプトピアの仏閣を守るという大義名分のもと、竜宮城を一時的に飛び出していたのだ。
    竜宮城を継ぐまでには音痴な自分を改善したい……それが彼女の切実な想いだった。

    「……大変だね。竜宮城の乙姫さまも」

    その時、ALCAの警報が鳴り響く。
    セントラルエリアにモノリウムの使者が襲来したのだ。

    「近い……乙姫さん! すぐに安全な場所に避難して!」
    『え……貴方はどちらにっ』
    「任せて……私が守るから!」

    すぐに盟約者と連絡を取って合流した玉姫は、合体して使者との戦いに臨んだ。
    しかし相手も手強く、簡単には決着がつかない。

    神曲乙姫はそんな玉姫と使者の激しい戦いを物陰で見つめていた。
    自分とそれほど変わらない年頃の女の子が、
    傷付きながらも町の治安を守るために戦っている姿から目が離せずにいたのだ。
    やがて仲間の定理者たちが駆けつけ、無事使者を討伐することに成功する玉姫。
    神曲乙姫はそんな玉姫の姿に心打たれた──つらいのは自分だけではない。
    どんな困難な宿命であろうとも逃げずに戦っている女の子たちがいる。

    それ以来、神曲乙姫は路上で琵琶を弾いて歌の練習をしては、
    町中で戦う玉姫の姿を遠くから応援する日々を送り続けた。

    玉姫の一生懸命さとひたむきさはその度に神曲乙姫の心を打ち、
    彼女は玉姫に想いを馳せながら、無意識の内に琵琶で新たな曲を弾き始めていた。

    それから数日後、ALCAナイエン支局に、揺音玉姫との盟約を志願する使者が現れた。

    その時、使者が手土産に弾いた曲は、
    この世のものとは思えないほど美しい旋律だったという──。

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  • キュア・メディスン119

    キュア・メディスン119

    トリトミーからやってきた、医療用武装メカナース。
    合理主義のトリトミー出身でメカにも関わらず、
    何故かミスを連発するドジっ子。
    しかし、失敗してもめげず常に明るく前向き。
    キュアから見て冷静で完璧な、盟約者の玉姫に憧れている。

    トランス!

     玉姫 & キュア

    トラブル・ガール

    玉姫は定理者になる前、パラドクスシックの専門医を志していた。
    そんな彼女のロジックに共鳴する新たな盟約者として選ばれたのが──キュア119だ。
    キュアはセプトピア各地の被害を食い止めるために、主に民間人救護の遠征部隊としてトリトミーからALCAに派遣された、トリトミーの武装メカナース。
    戦地での救命任務を目的として開発されており、あらゆる医療器具はもちろんのこと、
    有事の際に患者を護衛するための武器も完備されている。
    玉姫とキュアの盟約は自他ともに認める最高の相性──のはずだった。

    その日、戦地で苦しむパラドクスシック患者を救うために、玉姫とキュアは現場に駆けつけていた。

    「キュア! 合体よ!」
    『はい! 皆さんのお役に立つのです!』

    そう言って玉姫に近づこうとした瞬間、地面につまづいてしまうキュア。
    おもわず玉姫の胸に手をついて身体を支えた。

    「ちょっと! どこ触ってるの!?」
    『ご、ごめんなさいなのです……! 足元の地形を計算に入れてなかったのです!』

    キュアの足元は、何の変哲もない平らな地面だ……。
    玉姫はそれ以上突っ込むことはやめ、気を取り直して合体。被害者の救護活動にあたった。
    持ち前の医学知識でキュアの医療器具を的確に使いこなし、患者を助けていく。

    『やっぱり玉姫さんはすごいのです! とっても勉強になるのです!』

    人間にもかかわらず的確な治療行為を施す玉姫は、キュアにとっての憧れであり目標とする存在だった。
    玉姫に絶対的な信頼を寄せ、慕っていた。
    玉姫はそんなキュアを愛おしく思っていた。
    おっちょこちょいなところはあるものの、
    失敗しても決してめげずに前向きなのがキュアの良いところだったからだ。

    そんな時、新たな使者襲来の一報が舞い込んだ。
    玉姫とキュアは緊急対応のため、現場へと向かい、直ちに合体。暴れる使者と相対する。
    今度こそ役に立ちたいと考えたキュアは、自身の特殊装備・透視光線によって使者の弱点を見破ることを提案。
    さすがはメカナースだけあって瞬時の判断力は早い。

    「お願い! キュア!」

    ところがキュアは使者に狙いを定める前に透視光線を発し、
    誤って玉姫自身に当ててしまう。
    合体時のコスチュームだったピンク色のナース服が徐々に透け、
    玉姫の裸体が露わになっていく。
    「キュア! どこ狙ってるの!」
    『はわわ! またやってしまったのです! ご、ごめんなさいなのです……!』

    玉姫は呆れつつも、一刻を争う事態だったため、そのままの姿で戦いに身を投じるしかなかった。

    また一人、手のかかる妹が増えたかな──。

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  • ヴィーナス

    ヴィーナス

    テトラヘヴンからやってきた、「愛と美の女神」。
    思わず目を引く魅力的な体の持ち主。
    どんなものにも恋心をいだき、全てを愛する女性。
    隙あらば男女関係なく愛の言葉を語りかけている。

    トランス!

     玉姫 & ヴィーナス

    癒しの障壁

    星の力によって使者たちを撃退した学。
    避難民たちと一緒に、学は星と冥に肩を担がれて高層ビルから降りてきた。

    「学っ!」

    その声に反応して、学は顔を上げる。
    こちらに駆け寄ってくる玉姫の姿が見えた。

    「怪我してるの?」
    「……怪我だけで済んでよかった」

    学が星に向かって微笑むと、星も微笑み返す。
    それを見て、玉姫も安心して微笑んだ。
    だが、周囲を取り巻く怪我人や疲弊した人々の姿に、すぐにその笑顔を消した。

    「学たちがこの人たちを守ってくれたのね……カードが届いてよかった」
    「あのカードは玉姫が?」

    玉姫は頷くとポケットに入れていた淡く光るカードを取り出した。

    「……詳しくはまだわからないけど、
    このカードで別の世界にいる盟約者を呼び出せるみたい」
    『だから星がこの世界に……』

    冥が感慨深げにつぶやいた。

    『玉姫は一人なの? 盟約者は?』

    星が訊いた。

    「小玲は一旦ジスフィアに帰ってもらったの。状況によってはまた来てもらうわ」
    『状況によって……って?』

    よくわからず戸惑う星。

    「たとえば、今、私たちを助けてくれるのは……」

    玉姫がそう言った瞬間、カードは閃光を放った。
    そして、その光の中から飛び出したのはヴィーナスだ。

    『もう心配したんだからッ!!』

    現れるや否や、玉姫に抱きつくヴィーナス。

    『セプトピアが大変だって聞いて、私ずーっと早く呼んでって念じてたのよ。
    でも良かったわ。玉姫が無事で……』

    そう言いながら頬ずりをするヴィーナスに玉姫は苦笑い。

    「……私もヴィーナスに会えて嬉しいわ。でも喜ぶのは後にしよう?」
    『あッ! いけない私ったら……』

    ヴィーナスは照れてペロリと舌を出す。

    「! 来た……」

    その時、玉姫たちは不穏な気配を感じる。
    再び使者が玉姫たちの周囲を囲むように現れたのだ。
    一難去ってまた一難――学、星、冥、そして避難民たちもその状況に戦慄する。
    だが、ヴィーナスは余裕の表情だ。

    『大丈夫。任せて』

    頷く玉姫。次の瞬間、2人は合体する。
    ヴィーナスと合体した時の玉姫の武器は鞭のように使うリボン。

    『こんなふうな使い方もできるのよ』

    玉姫がリボンを掲げると、リボンはスルスルと伸び続け、
    それは巨大なドームとなって周囲を取り囲んだ。まるでバリアーのように。

    「これなら敵も入ってこられない……」

    驚きながら学がつぶやく。

    『ウフフッ、ただのバリアーじゃないわ』
    「?」

    学が訊こうとした瞬間、リボンの中にいた人々から次々と声が上がった。

    「痛くない!」
    「治ったぞ!」

    リボンから放たれる力によって傷つき疲弊していた人々が続々と回復していったのだ。
    それは学の怪我も例外ではない。

    『すごい……』

    驚く星。学も、冥も、さらにパワーアップしたヴィーナスの癒しの力に目を見張った。

    『どう? 名づけてラブリーバリアーよ』

    得意げなヴィーナスに、玉姫は笑って返した。

    「それ今、適当に考えたでしょ?」
    「玉姫、聞こえるか!?」

    突然聞こえたのはオルガの声だった。途絶えていた司令部との通信が回復したのだ。

    「オルガ? 聞こえるわ! 私は無事よ」
    「よかった……まだ戦えるようなら、至急クロエのところに向かってほしい」
    「クロエのところ……?」
    「現在、港付近の海底で交戦中と確認できた。クロエを狙って続々と敵が集まっている」
    『よし今度は海の中ね!』

    それを聞いたヴィーナスがはりきる。
    だが、玉姫に考えが。

    「ありがとうヴィーナス。でも適材適所があるから。
    水の中か……今度はあの子の力が必要になるわね」

    そう言った途端、バリアーの外でリボンが淡く光り、動き出す。
    一瞬のうちに、敵たちに向かってリボンが巻きつくと、
    敵たちはまるで大きな愛に包まれたかのように敵意を失い、グッタリと弛緩。
    あっという間に、敵の殲滅が完了した。

    一体倒したかと思えば、続々と現れる敵にクロエは手を焼いていた。
    どれほどの時間を戦闘に費やしていたのか。
    クロエの体力もロジックも限界に近づいていた。
    (このままじゃトランスリミットがきちゃうよ……)
    クロエの焦りを嘲笑うかのように敵の数はなおも増え続ける。
    ざっと見ただけで50体はいそうだ。

    「!!」

    その時だった。
    突如現れた魚の群れが、敵とクロエの間を割って入ったのだ。

    「なんなの……!?」

    クロエが驚いてると、群れをなしたサメや巨大なイカが現れ、敵を襲い始めたのだ。
    よく見ると、その中に、人影が混じっている。
    それは乙姫と合体した玉姫だ。

    「乙姫、まだまだ足りないわ! もっと仲間を呼んで!」
    『任せて!』

    (魚を操っているのは、タマヒメ……?)
    唖然としているクロエに向かって、玉姫が叱りつけた。

    「もう、クロエは無茶なんだから! 一人で飛び出すなんて!」
    「え? だってタマヒメが連絡つかなくてピンチだって言うからさ!」
    「え? そうだったの? ありがと……」

    頭ごなしに怒ってしまったのを反省して頬を赤らめる玉姫。
    一方、クロエは気にしていない様子で、玉姫と背中合わせになった。

    「まぁ、ともかくタマヒメがいれば100人力だね。指示だして」
    「うん、わかった……」

    玉姫の表情が再び引き締まる。
    玉姫とクロエのタッグは、海中でも健在だ。

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  • シグマ・ブラスター010

    シグマ・ブラスター010

    トリトミーからやってきた、超AI搭載の重武装戦闘ロボ。
    製造年式が新しく、実戦経験はまだまだこれから。
    血気盛んな少年の様な性格で、
    手柄を立てて褒めてもらいたいと先走りがち。
    勇み足をしては、盟約者の玉姫を困らせている。

    トランス!

     玉姫 & シグマ

    砲機、決死の出撃

    ALCAのハウスサロン。

    和の趣きがある玉姫の部屋に、不釣り合いな10cmサイズのカラフルな玩具のロボットがあった。
    キュアと同様、ALCAに協力するために派遣されたトリトミーの使者・シグマ010だ。

    『いつになったら僕と合体してくれるんだ!』
    「お願い、もう少しだけ待ってて。今は民間人の救護で忙しくて」

    『これじゃ、玉姫と盟約した意味がない……』
    「約束する。戦う時は私と一緒。……ね?」

    玉姫は小指を差し出し、シグマの小さな手と指切りした。

    シグマの元体は超AI搭載の最新型砲撃支援モビルスーツであり、
    重装甲と圧倒的な火力で敵を制圧するために開発された。

    しかし製造年月が浅いため、ほとんど戦闘経験がなかったのだ。

    戦うために開発されたシグマは、どんな機械よりも血気盛んで勇敢。

    戦場こそが自分の居場所だと考えていたのだが、未だ出撃する機会に恵まれていなかった。

    シグマはもはや我慢の限界に達していた。

    なんとか戦果を上げてALCAに認めてもらいたかった──。

    ある日。戦地の救護任務から帰還した玉姫は、自室にシグマの姿がないことに気付く。

    なんと別の定理者が対応にあたっていた戦場に、適応体のままのシグマが勝手に出撃してしまっていたのだ。

    すでにトランスリミットを迎えており、再合体できるようになるまで待機命令が出ていた玉姫だったが、いてもたってもいられず戦地へと飛び出していく。

    戦場では激しい攻防が繰り広げられていた。

    得意の砲撃で使者を駆逐しようとするシグマだったが、
    適応体の砲台から発せられたのは玩具の弾。

    シグマの決死の想いは叶わず、弾はむなしく地面を転がっていく。

    やがて使者の攻撃に巻き込まれ、シグマは全壊の危機に瀕してしまう。

    ギリギリ駆けつけた玉姫は、壊れかけたシグマを慎重に抱き上げる。

    「無謀なことしないで! 死んだらどうするの!?」
    『無謀? 言っている意味が分からない。僕は戦うために開発されたんだ!』
    「戦う時は一緒って約束したじゃない!」
    『飾りの玩具にされ続けるのはもうこりごりだ!』
    「だからって……死んじゃったら、そこでおしまいなんだよ……?」

    その時だった。玉姫の目から一筋の涙がこぼれ、シグマの身体を濡らす。

    「……あなたは私の大切な盟約者……あなたの命はもう……あなただけのものじゃないんだから」

    そう言って、シグマを優しく抱きしめる玉姫。

    「……シグマが勇敢なことは知ってる……あなたのことすごく頼りにしてる……
    だから……お願いだから……もう二度とこんなことしないって約束して……」

    シグマは、玉姫の『ココロ』を感じ、身体に熱を感じた。

    『……分かった……もうしない……ごめん……なさい……』

    シグマの玩具の目からは一筋の涙が流れていた。
    それが玉姫の涙で濡れていたからかどうかは、誰にも分からなかった。

    「よし! じゃあ今こそ約束を果たす時ね」
    『約束……?』
    「シグマ。あなたの力を私に貸してほしいの」

    玉姫がシグマを膝の上に乗せると、二人は見つめ合い、決意した。

    「……トランス!」

    戦場に、シグマの重装甲を身に纏った合理体・玉姫が降り立った。

    二人の力によって荒れた戦場を鎮圧できたのは、もはや言うまでもないだろう──。

    定理者のカード 使者のカード 合理体のカード

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