キャラクター&ストーリー

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  •  明日葉 学
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  •  七星 縁
  •  ヴェロニカ・アナンコ
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  •  ニーナ・アレクサンドロヴナ
  •  リオネス・エリストラートヴァ
  •  京橋万博
  •  橘 弥生
  •  森ヶ谷 夕子
森ヶ谷 夕子
森ヶ谷 夕子もりがや ゆうこ
性別 女性
年齢 -
身長/cm 160
体重/kg 52
血液型 A型
生年月日 6月17日
好きなもの 料理、お茶(紅茶)、綺麗なところ、写真
嫌いなもの 虫、汚いところ

6年Sクラス所属。
ピラリ学園の4つの寮の一つである白樺寮の寮長。
寮生はみんな彼女を信頼しており、時折相談をうけることもある。

盟約者フォーリナー

  • ステュクス

    ステュクス

    テトラヘヴンからやってきた、大河の女神。水その
    ものや河の流れを操る力を持つ。大神ゼウスの命令
    でセプトピアに派遣されたところ、ALCA支局にて
    夕子と出会う。

    トランス!

     森ヶ谷夕子 & ステュクス

    森ヶ谷夕子 & ステュクス

    白樺寮から電車に乗ってオビヒロの街へ。そこから更に特急に乗り換えておよそ2時間半。
    やってきたのはサッポロ。
    さらにその中心近くにある、タワーを備えた特徴的な建物。

    「さぁ夕子、ついたぞ! ここが卒業後私たちが働くことになるALCAサッポロ支局だ!」

    そう言って、くるりと器用に回りながら手を広げるのは、東瑞希。
    定理者育成校・ピラリ学園の元生徒会長だ。
    秋になり、生徒会を後輩に譲った瑞希。もちろん卒業後の進路の準備も万全だ。
    成績や内申評価は十分、ALCAの入局については先生方も太鼓判を押している。
    東瑞希にとって、ALCA入局はスタートでしかない。入局後の配属や達成すべき仕事、
    たどっていくキャリアパスまでしっかり検討済み。
    現役の定理者や元定理者が重要ポストを占めるALCAの中で、
    定理者の才能があっても盟約者に恵まれなかった彼女がいかに駆け上っていくか。
    将来を考えるだけでわくわくしてくる。

    問題は―
    「あらあら、瑞希は大変ね。毎日サッポロまで通うのかしら。家からだと、ちょっと遠いわね~」
    「いや、だから、夕子もALCAに入局してね、ほら近くに下宿をね、二人でね、ゆ~う~こ~~」

    瑞希の未来予想図には夕子が不可欠なので、事あるごとに一緒にALCAに入局しよう!
    と勧めているのだが、彼女はなかなか乗ってきてくれない。
    とりあえず今回、ALCAサッポロ支局の職場訪問に連れ出すことには成功したのだが、先はまだまだ長そうだ。

    親切な職員の案内で、二人は支局のあちこちを見て回り、気になるいろいろなことを質問することができた。
    「以前は、ある程度以上の適正のある方は強制招集の上、緊急時には即出撃でしたからね、
    盟約相手のいるいないに関わらず、支局に住み込んで貰っていました」
    「なるほど、だから宿泊施設が充実しているのですね!」
    「フォーリナーカードもありませんでしたから、盟約相手の使者の方も全員住み込んでいたのですよ」
    「今は違うのですか?」
    「はい、各定理者の方によってまちまちです。当番制のシフトこそありますが、自宅は別、という方も多いですし、こちらに住まれている方もいます。
    使者の方も普段は故郷の異世界にいてフォーリナーカードで呼ばれる方もいれば、相変わらず適応体でセプトピアにとどまっている方もいらっしいます。
    一方、以前のような、戦闘任務での出撃は、ほぼありません。
    定理者の仕事は様々に広がっていますが、特に喜ばれているのは、火事や事故、災害時の緊急応援任務ですね」
    そんな事を話しながら、今は空き室が目立つ一角を歩いていると・・・

    『!!! むぎゃっ!!!』

    何か重い物が転がる音と共に、子供の悲鳴?ともとれる声が聞こえてきた。
    ALCA支局内で子供の声?
    思わずそちらに向かう夕子と瑞希だが、案内の職員は何か呆れたような諦めたような顔でゆっくりついてくる。
    音の出処を探ると、一番隅の部屋が、酷いことになっていた。
    決して狭くはない個室が、足の踏み場もないほど雑多なもので埋まっている。
    本やら紙束やら定規やら測距儀やら。中でも一番目立つのは・・・
    「壺?」
    ひと抱えもある壺がごろごろ転がっている。先程の音は、これが崩れたかららしい。
    その真ん中で、小学校高学年か、せいぜい中学生といった感じの女の子が倒れて頭を抱えている。
    『あ、アイタタタ・・・なんで転がるんよ・・・ムカツクなー』
    「あらあら!大丈夫?」
    「お嬢さん、さあ、私の手をとりたまえ」
    助け起こす夕子と瑞希だが。
    『ム! お前、人間だな! は、はなせ! わたしにさわるなー!』
    この反応は?と目を合わせる二人。そこへ顔を出した職員は、
    「―またですかステュクスさん」
    『しかたないのだ! 壺のくせに、わたしの言うことを聞かずに転がってしまうのだ!』
    「そりゃ転がりますよ。そんな丸い壺。なんでわざわざ特注までして丸い壺にするんだか・・・」
    『カワイイじゃないか!
    ―それはともかく、いいかげん、はーなーせー!!!』
    「え、えっと・・・」
    「この方は、まさか・・・?」
    なんとなく手を離すタイミングを失った夕子と瑞希が問いかけると、
    「はい、本局に滞在中の、テトラヘヴンの使者の方です」
    『大河の女神、ステュクスであるぞ! えらいんだぞ! だから、はーなーせー!!!』
    じったじった。ばったばった。

    ステュクス自身と職員が語るには。
    テトラヘヴンの大河の女神である彼女は、ゼウスとか言うテトラヘヴンの偉い神様の命令でこのセプトピアに派遣されたらしい。
    だがステュクス本人としてはそれが相当不満なようだ。
    『・・・ったくぅ、レーテーとアケローンの定期水質調査の途中だったんだぞ?
    それをゼウスのバカチンが、他のやつにやらせるからいいとか言いやがって・・・』
    「交流事業の一環でして、テトラヘヴンから何柱かの神様が各地の支局に来ているのです。
    その一人がこちらのステュクスさんなのですが・・・」
    『なんだよー 文句あるのかー』
    「ま、こんな感じでして」
    と言って部屋の惨状を見せる。
    「研究、と称してサッポロに留まらずホッカイドウ各地に出かけてはサンプルを採取、なにやらいろいろおやりになっていまして・・・」
    『なんだよー そんな事言ってると、教えてやらないぞー?』
    思わせぶりなセリフを言うステュクス。
    『ふっふっふ、イシカリ川のとあるところに、ごくわずかだけど水質汚染が起きてる。
    知りたいかー?』
    「そ、それは確かに。本当だとすれば大変なことに」
    『本当に決まってるだろー! お前、わたしを疑ってるなー! くっそー やっぱ教えてやるもんかー!(くぅ)」

    とふんぞり返った彼女のお腹が『くぅ』と可愛らしい音を立てた。
    「あらあら、お腹が空いてるの?」
    『べ、べつに! お腹空いてなんか、ないぞ!(くぅうう)』
    「あらあら、ところでお姉さん、お菓子もってるんだけど、ちょっと多く作りすぎちゃったの」
    そ、それは私の分じゃないのかー?という声が聞こえた様な気がするが聞こえないことにする。
    「貰ってくれると、お姉さん嬉しいな?」
    『む、むう。そこまで言うなら、しかたない。もらってやるぞ』
    もぐもぐ。ぱくぱく。ぽりぽり。
    『む! こ、これはおいしいな、おいお前、おいしいぞ!!』
    「あらあら、食べ残しが口についているわ、ちょっとこっち向いて?」
    『む、むぐむぐ・・・ あ、なくなった。なくなってしまったぞ!』
    つまり私の分が無くなったというわけだな、という悲しい声が聞こえてきたが、
    お菓子のお代わりを作っている間に調査結果を教えてくれる約束を引き出したのだから尊い犠牲と言うべきだった。

    さてその後。
    ステュクスの分析は正しく、定期の水質検査をくぐり抜けていた微量な水質汚染を発見、
    事態が深刻化する前に対策を採ることができた。
    流石は大河の女神、と讃えられステュクスは大いに面目を果たし、更に研究に没頭することになるのだが―

    「・・・で。そのチビ神さまが、なんでこの白樺寮にいるんだ?」
    『(もぐもぐ)チビ言うな!(ぱくぱく)』
    「なんでも、ステュクスちゃんの研究成果を教えてもらおうとしたら、
    お菓子を捧げないと教えてくれないんですって」
    「だったら、サッポロのコンビニででも、洋菓子屋ででも、買ってくればいいじゃないか!」
    『(もぐもぐ)神への供え物を、そこらで買ってこようという考えが甘いんだ(ぱくぱく)
    あ、これあまーい! うまーい!』
    「私のお菓子の味が、忘れられないんですって」
    「だからって、わざわざサッポロからここまで来なくても!」
    「サッポロ支局の方から、先生方に是非ともってお願いの連絡があったそうよ?
    しょうがないから、白樺寮で少しの間もてなしてあげて、ですって」
    『(ぐっぐっぐっぷはー)安心しろ、さっき夕子と盟約をすませたから、卒業後は夕子といっしょに住む』
    「な、なんですとー!」
    『夕子ゆうこ、こんどゼリー作ってくれゼリー。わたしが良い水を流してやるから。
    おいしいのができるぞー!』
    「あらあら、それは楽しみね~!」
    「ゆうこ~ そんな簡単に使者と同棲とかダメだろう!
    だいたい、私が探してきた下宿は、新生活にピッタリ!というか、ニューファミリー向けというか、つまり二人暮らしにちょうどいい感じでね?」
    『わたしの水は料理に使っても最高だぞ?』
    「それは楽しみね~ きっとウェスタも喜ぶわ。なんだかお料理作りすぎちゃいそう」
    「大丈夫!夕子が作る料理なら、なんでも、いくつでも食べるとも!!」
    『バッカスも酒を仕込むときにはわたしのところに頭を下げに来るのだ。
    夕子も酒作る?ダメ?』
    「あらあら、お酒づくりはやったことないわねぇ」
    「ダメに決まってるだろう! ゆ~う~こ~!!」

    果たして、瑞希の未来予想図は実現するのだろうか。
    それはまた、別のお話。

    定理者のカード 使者のカード 合理体のカード

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  • ウェスタ

    ウェスタ

    他の世界の料理を学ぶため、セプトピアを訪れた際、参加した料理教室で夕子と出会う。そこで夕子と意気投合し、彼女と初めて盟約するフォーリナーとなる。

    トランス!

     森ヶ谷夕子 & ウェスタ

    森ヶ谷 夕子 & ウェスタ

    夕子が彼女と出会ったのは、今から2年ほど前のことになる。

    ピラリ学園の4年生になった夕子は、もっと料理のバリエーションを増やしたいと思い、
    休みの日を使ってオビヒロの料理教室に通うことにした。

    基礎は身についている自信があったので、ちょっと背伸びしてプロのシェフに習うコースを選択。
    二人一組になって授業を受けるのだが、その時同じ組になったのは夕子と同じぐらいの背格好で、
    柔らかい印象の若い女性だった。

    ウェスタ、と名乗ったその少女は、夕子よりも大人びた立ち振る舞いをしながらも、ちょっとした受け答えでころころ笑う表情はまるで年下の様でもある。不思議な人だった。

    「まずは野菜を、それぞれ指示した通りに包丁で切ってください。
    ここで大きさを揃えておかないと、火の通りがばらばらになりますからね、気を付けてください」
    講師の指示に従って野菜の皮をむき、指定した形に切っていく。
    輪切り、半月切り、銀杏切り。

    夕子の目から見ても、ウェスタの包丁使いはなかなかのものだ。
    ゴロゴロした形のジャガイモも、無駄を出さず丁寧に皮を剥いていく。

    「では炒めていきましょうか。フライパンは用意できていますね。
    今日は油通しをしない方法を教えます。
    油は少なめ、材料を入れたらすぐに弱火に。じっくり火を通していきましょう」

    フライパンをコンロに置いたウェスタは、両手を構えると、『えいっ』と小さく声をかけた。
    そのまま数秒。
    『・・・あ、失敗失敗。こっちでは力、使えないんだっけ』
    舌を出すその仕草は、あざといぐらいに可愛いものだったが―

    『夕子さん、わたし、このコンロって言うの?使い方、良くわからなくて。
    火の点け方、教えてくれない?』
    「ええ、もちろん・・・でもあなた、もしかして・・・」
    『あ、火が点いたわ! なんだか不思議ね、なでるだけで火が大きくなったり、小さくなったり。
    精霊さんのご機嫌を伺わなくていいから便利ね!』
    「・・・使者さんも、料理はするの?」
    『ええ、料理は得意中の得意。だってわたしは、竈の神だもの』
    「私も料理は大好き。嬉しいわ、そんな使者の人と出会えて。改めてこんにちは、ウェスタさん。
    私は森ヶ谷夕子。定理者育成機関ピラリ学園の4年生です」
    『始めまして、夕子。私はテトラヘヴンのウェスタ。竈の神ウェスタ。セプトピアのお料理、わたしに教えてくれる?』

    定理者の素質があると認められ、定理者育成機関・ピラリ学園に入学したものの、長らく盟約者が見つからなかった森ヶ谷夕子。
    それがこうして使者に巡り合い、料理という得意分野を通じて仲良くなり、あれよあれよという間に盟約する関係になったのだから、運命とは不思議なものだ。

    先生に言われるまま、Sクラスへ移動の手続きを進める彼女の部屋に、今日も騒がしい訪問者があった。
    「良かったじゃないか夕子!これで君も立派な定理者だ!」

    彼女は東瑞希。
    小学生の時からの幼馴染で、何かといつも自分を気にかけてくれる。
    「ええ、そうね、そうなんだけど・・・」
    「浮かない顔だね、何を心配しているんだい―
    はっ! そうか! 私としたことが気づかなかった!
    夕子、私とクラスが離れてしまうことに、君がこれほどまでに胸を痛めていよう、とは。
    ああ! そうだとも! この重大事! だが大丈夫。私はいついかなる時も心は君と共にある。
    なあに一言呼んでさえくれれば、授業中であろうがなんであろうが、私はすぐに駆け付け―」

    「クラスのことは、別に構わないの」
    「ええー」
    「それより、Sクラスになったら、戦闘訓練がある、でしょう?」
    「! ・・・夕子、君は・・・」

    視線を自分の手に落とし、少し震えているかの様な夕子。

    「ううん、わかっているの。
    戦闘訓練ではちゃんと、しーるど?って言うのがあって、私たちは怪我したりしないようになっている、って。でも万が一って事はないのかしら?」
    彼女のことをいつも見ていた瑞希には、わかっていた。
    夕子は、自分が傷つくのが怖いのではない。

    「万が一、万が一私のこの手が、人を傷つけ、怪我させてしまったらって思うと、どうしても・・・ね」
    思わず瑞希は、夕子の両手を手に取り、包むように握っていた。
    「夕子―」
    「こんな事じゃ、いけないわよね。
    定理者の先輩方は、今も世界のため、戦っているというのに。私も盟約者ができたのだから、すぐに戦えるようになって、皆を助けないといけないわ。なのに、ね」
    そう。つい先日も、トウキョウはナイエン区に強大な使者の襲来があり、ALCAは定理者の少年少女たちを動員し、なんとかその制圧に成功したと聞く。
    考えてみれば、ウェスタがトランスジャックで人を襲うような使者でなかったのも、実に幸運なことなのだ。

    ほどなく、夕子はSクラスに移動。
    危惧していた戦闘訓練では、残念ながら予想通りの状況となっていた。
    『夕子、少しは攻撃しないと。いえ、攻撃するフリだけでもしないと―』
    「わかってる、わかってる、けど・・・」

    ウェスタの能力は、二つの錬金釜を使い、様々なものを産み出す能力だ。
    竈の神の由来通り、産み出せるものは家庭の台所にあるようなものが中心になる。
    正直、人を害する武器の類を産み出すのは、ちょっと苦手だ。
    でも物は使いよう。
    家庭にある包丁だって十分凶器になりえるし、鍋に油をたたえて熱すればいくらでも恐ろしい使い方ができるだろう。
    ・・・それが、できない。

    「え、ええ~い」
    本人は必死、だがどう見てもへっぴり腰で振り下ろされた箒が、あえなく空を斬る。
    対戦するクラスメートも済まなそうに放つ光弾が、夕子の最後の防御シールドをあっさり破壊して、今日の戦闘訓練は終わった。

    『ごめんなさい夕子、私がもう少し、戦いに向いた能力を持っていれば』
    「いいえウェスタ、それが原因じゃないことは、一番私が知っているわ」
    戦闘訓練後は、いつもこんな風に反省大会になってしまう。
    原因ははっきりしている。
    本人もウェスタも、教える担任やクラスメートたちも、その理由はわかりきっている。
    だが誰がこの優しい少女に言えるだろう。

    ―他人を傷つける覚悟をしろ、などと。

    それが言えぬまま、時間が過ぎていく。
    世界は今日も、悪意ある使者の出現を恐れている。
    Sクラスの中でも、成績優秀と認められた生徒がALCAに仮配属となった。
    人々を守るため、戦いに行くのだ。

    「・・・ウェスタ、手伝ってくれるかしら」
    『ええ、夕子。せめて、楽しみましょう』

    お別れのパーティー。
    寮の台所を借りた夕子は、こっそりウェスタと合体。竈の神の全力を使い、トランスリミットぎりぎりまで、精魂込めて美味しい料理を作ってふるまった。
    「こんな事しか」
    『私たちには、できないから』
    でもそんな二人を、学園の皆は誰も責めなかった。
    皆の気持ちを代弁し瑞希が言う。
    「いいじゃないか、戦うのが嫌いな定理者と使者がいたって。
    私は好きだな、そういうの」
    「ありがとう、瑞希」

    あの日から、もうかなり経った。
    先輩定理者たちと使者たちの努力により、悪意ある使者襲来の恐怖は去り、世の中は平和になった。
    生徒会選挙を圧倒的大差で制した瑞希は、宣言通り生徒会を私物化。
    思いつくまま、規則の改正やら突発イベントの主催やらで度々学園を騒がせているが、そのいずれもがこの学園の生徒たちを楽しませているのだから、生徒の支持は熱烈だ。

    副会長に指名された夕子は、まさかウェスタの錬金釜で「ハリセン」を錬金することになるとは思わなかったが、これが便利で使い減りしないものだから度々役立っている。
    瑞希の勧めもあって、白樺寮の寮長も引き受けた。
    寮に入った子の中には、初めて親元を離れ、不安のあまり泣きそうな子もいた。
    夕子は台所を借りると、ウェスタの力も借りてお菓子を作り、歓迎のパーティーを開いた。
    笑顔を取り戻した少女たちを見て、夕子も、そしてウェスタも、心から幸せを感じたものだ。

    再び季節は廻り、春。
    学園は、また新たな定理者のひなたちを迎える。
    相変わらず戦闘訓練の成績はさっぱりだが、今夜のおやつとそれを食べるみんなの笑顔を想像するだけで、夕子は今日も幸せだ。

    「ウェスタ、今日も手伝ってもらえるかしら?」
    『ええ夕子、わたしの鍋をあなたに預けるわ』

    宙を舞い光り輝く錬金釜。
    武器を産むのは苦手だけれど、笑顔を産むのは、ちょっと自信がある。

    定理者のカード 使者のカード 合理体のカード

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