キャラクター&ストーリー

  •  剣 美親
  •  揺音 玉姫
  •  クロエ・マクスウェル
  •  五六八 葵
  •  揺音 聖那
  •  アシュリー・ブラッドベリ
  •  ジークハルト・クラウス
  •  当麻芽路子
  •  明日葉 学
  •  オルガ・ブレイクチャイルド
  •  七星 縁
  •  ヴェロニカ・アナンコ
  •  ジゼル・サンダース
  •  ニーナ・アレクサンドロヴナ
  •  リオネス・エリストラートヴァ
  •  京橋万博
  •  橘 弥生
  •  森ヶ谷 夕子
  •  小湊くらら
京橋万博
京橋万博きょうばし まひろ
性別 女性
年齢 -
身長/cm 143
体重/kg 45
血液型 B
生年月日 3月14日
好きなもの コーヒー
嫌いなもの 甘いもの

使者と機械いじりが大好き。
自分のやりたいことに向かって常に一直線で、さまざまな発明品を作っているが、しょっちゅう爆発しては弥生を怒らせている。

盟約者フォーリナー

  • ドレッド・デストラクト001

    ドレッド・デストラクト001

    セプトピアを自由に旅し、海で他の船に紛れて通りかかったところで、万博のフォーリナー探知機に反応してしまう。
    その際に万博の夢を聞かされ、同調した結果、彼女と盟約する。

    トランス!

     京橋 万博 & ドレッド・デストラクト001

    京橋 万博 & ドレッド

    見渡す限りの大海原。
    海の青、空の青、そして雲の白。
    ひたすら、いっそバカバカしくなるぐらいのコントラストに囲まれて、
    万博は思わず「うひゃひゃひゃひゃー!」と笑い出したくなるところ、
    だったが・・・そんな元気はなかった。
    彼女が乗っているのは、大型の外洋向けモータークルーザー。
    真白い船体は傷一つなく、甲板も磨き抜かれたように輝いている。
    キャビンに人はおらず、乗り込んでいるのは万博一人のようだ。
    その舳先に座り込んだ彼女は、足を投げ出しつつ、明らかに急ごしらえの釣り竿で、
    ぼんやり糸を垂らす。-が。

    「釣れないっす・・・」
    そんな呟きに答える声がある。
    『だろうな。やはりエサもない仕掛けではなあ』
    「魚にやるエサなんかないっすー そんなもんあったら、あたしが先に食べてるっすよー」
    ぐうう、と腹が鳴った。
    「あー 腹減ったっす・・・」
    もう何回目になるかわからないボヤキ。
    思わず天を仰ぐ。
    ちなみに漂流48時間目である。

    さかのぼること3日前。
    週末、突然「こう、でっかいマッシーンががちゃーん ぐわちゃーん と働いてるところが見たいっすー!」と思ってしまった万博は、
    オビヒロまで出た後、特急で1時間半、クシロの港まで来ていた。
    ちなみにリオンたち1年Sクラスの友達もオビヒロまでは一緒に来たのだが、
    やはり重機力あふれるクレーンのロマンが分かり合える女子はいない様だった。
    リオンは、ニーナと一緒にプラネタリウムへお出かけ。
    弥生は華凛、華恋を連れて家の行事とやらに行くとのことだ。

    クシロ港はホッカイドウ東側の物流拠点のひとつ。
    今も轟音を挙げてガントリークレーンがうなり、コンテナを次々船に載せている。
    「やっぱり重機はロマンっすねー」
    と。突然、ふところからプープープーと電子音。
    取り出したるはいつもスイッチを入れっぱなしにしているフォーリナーレーダー。
    どうやら近くに反応があるようだ。
    「来た来た来たっすー! どっちっすか? 右? 左?」
    反応は港の方を指していた。
    しかし、コンテナ船のある貨物港の方ではない。
    漁港? いや、ヨットやプレジャーボートを係留しているあたりに反応がある。
    ・・・
    「おっかしいっすねー 誰もいないっすよー?」
    反応は確かに一隻の大型クルーザーを指している。
    だが付近に他の人間、あるいは鳥や獣の姿もない。
    ひょっとして、このクルーザーの中に潜んでいるのだろうか?
    心の中で一応無断侵入を詫びながら、桟橋を伝って船内へと足を伸ばす―と。

    『娘、何か本船に用か』
    「え?」
    声がする。しかし、見る限り船内には誰もいない。
    「ど、どこにいるっすか?」
    『ここにいる。というか、君が私の中にいる』
    「・・・まさか、喋っているのは、船?」
    『うむ。本船はドレッド・デストラクト001。
    トリトミー機動艦隊に所属する、デストラクト級弩級戦艦、その栄誉ある1番艦である』
    普通の女子なら、喋る船に度肝を抜かれてしまうかもしれない。
    だが彼女こそは京橋万博。定理者養成校ピラリ学園1年Sクラスの問題児にして
    フォーリナー研究家である。すぐにそのセリフを理解した。
    「なるほどー!トリトミーの機動戦艦がセプトピアにきて、適応したんすね!」
    『その通りである』
    異世界の使者がセプトピアに来ると、セプトピアのロジック―物理法則などに縛られて、その存在が変化する。
    万博の盟約者、少女型アンドロイドのセレン・リサーチャー013が人間の少女に変化したように、大抵は姿かたちや近しい存在に変化する。
    「でも、戦艦、って感じじゃあないっすね」
    なるほど、宇宙戦艦が適応すれば、セプトピアでは海に浮かぶ船に変化するのはわかる気がする。
    むしろ、いくつもの砲塔で艤装された戦艦に適応しなかったのは幸いというところだろうか。
    いくらなんでも突然クシロ港外洋に巨大戦艦が現れたら大騒ぎになるだろう。
    『トリトミーの機動戦艦にとって、艦体のサイズは決してその戦闘力と比例しないのである!』
    「むむ・・・なるほど、船の大きさが小さくても、強力な兵器を搭載できるなら、その方が機動性も上がるし的にもなりにくい、ってわけっすね!」
    『ご明察である! 君はそんな姿だが、ひょっとして軍属なのか?』
    「ちがうっすよ~ まあ、フツーの女子とはちょーっと違うっすけどね~」
    『本艦も別に戦闘任務に来たわけではない。現在セプトピアは平和と聞く。
    であれば、兵装がなくても問題はなかろう』
    「ふ~ん じゃあ、何しに来たっすか?」
    『・・・ 海とやらが、見てみたかったのだ』
    「へ?」
    『本艦の任務は、基本宇宙空間に限られる。海というものの存在はデータベースに存在していたが、特に本艦には関係のないものであった。本艦はそもそも着水や水上航行を想定した設計をされていない』
    「ふむふむ」
    『だが・・・ このところ、トリトミーでもセプトピアに渡った者が増えてきた。
    ネットワークにその体験情報がアップロードされ、本艦もそれを共有した。
    特に、アリオール・ラプトレス015の大気圏内飛翔のドキュメントは実に興味深かった』
    「ナイエン支局の七星縁さんの盟約者っすね。そのコンビはセプトピアでも結構有名っすよ。世界を救った一人っすからねー」
    『本艦も― 本艦も、その空から見える一面の青、「海」とやらを、見てみたかったのだ』
    「・・・わかるっすよ、それ」

    まだ見ぬ世界への憧れ。相手はヒト型でも生物ですらもなかったが、これほど共感できる使者もいなかった。
    万博を乗せたドレッドが、「ちょっとそこら辺を見て回ろう」と出港したのも無理はない。
    ただ問題は、万博が今日の天気予報をチェックするのを忘れていたこと。
    そしてセプトピアに来たばかりのドレッドが、その気象に詳しくないのも仕方ない、ということ。

    まさか、季節外れの台風が行く手に待っていようとは、二人も気づかなかったのである。

    「にしても、まーさか食べられるものが何も載ってないとは思わなかったっすー」
    『仕方ないだろう、そもそも本艦は乗員を想定していない』
    「まあ、人間なんて柔らかくて不安定なパーツっすからねー 載せなくていいなら乗せないっすよねー」
    それだけではない。ドレッドに積まれている様々な計器・センサー類は全て「宇宙戦闘」を前提にしたものだ。
    適応して海上にいる今、それらは役に立っていない。
    丸一日、嵐にもみくちゃにされた挙句、陸地を完全に見失ってしまった。
    今、太陽系の星々がどんな配置にあって、宇宙を巡る人工衛星の数々までわかるのに、海上の自分の位置はよくわからない、という皮肉にもほどがある状況だ。
    SOSを打電してみたが、規格が合わないためにセプトピアの機材では受信できないだろうとのこと。
    『すまない、本艦がまさかこれほどに無力とは。
    栄えあるトリトミー機動艦隊の名折れである・・・』
    「しかたないっすー」
    だが万博は、決してドレッドを責めなかった。調子に乗ってどんどん沖へ海原へとドレッドを走らせたのは自分だ、という気持ちがある。それに。
    「まだまだ、適応の仕組みはわかってないんす。
    使者がどんな姿かたちに適応するかわからないし、それに―
    それに何故セプトピアの人間が異世界で適応できないかも・・・」
    『いつか、それも解き明かされるだろう。
    我らのような冒険者が後に続く限り』
    「そうっすね・・・ でも・・・」
    ぐうううう
    「このままだと、あたしの旅はここで終わりそうっす・・・」
    『万博! 万博! しっかりしろ!
    おのれ、本艦の本来の力ならば、宇宙まで駆け上がることも可能だというのに!』
    「本来の・・・ちから・・・」
    『本艦の・・・能力・・・』

    「『それだ!!』」

    二人の意図が図らずも一致した時、すでに二人の波長はぴたりと合い、盟約への条件は整っていた。
    合体した二人は、そのまま高々空へ宇宙へ駆け登り大気圏を突破。
    軌道上からセンサー類を展開、ピラリ学園の位置を正確に測定すると、大気圏へ再突入。
    悠々、学園の校庭へと着陸してみせた。

    もちろん、万博を探し回っていた弥生を始めクラスの友達や先生、両親、近隣住民のみなさんやALCAサッポロ支局の方々に超・心配をかけた事で、
    しばらく夢にうなされるぐらい叱られたのは言うまでもない。
    だが、お詫びを兼ねて皆をクルージングに連れ出した時の、
    夕子さんに作ってもらったお弁当の美味しさたるや、素晴らしいものだった。
    「これだから冒険はやめられないっすー!」
    夕子からハリセンを借りると、弥生は万博の後頭部にばしっと振り下ろした。

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  • セレン・リサーチャー013

    セレン・リサーチャー013

    ゲートカードの開発調査を専門とするアンドロイド。
    セプトピアへの調査に来ていたところ、万博のフォーリナーレーダーが反応したため、二人は出会った。異世界について根掘り葉掘り聞いて
    くる万博に興味を覚え、いつか定理者になったときに自分が手伝
    うことを約束させられるのだった。そして万博に定理者としての
    才能があるとわかり、彼女と盟約を交わすこととなる。

    トランス!

     京橋 万博 & セレン・リサーチャー013

    万博 & セレン

    ピラリ学園は、定理者になる素質をもった少女たちを集め、
    定理者としての教育を施す教育機関である。
    少女たちの中で、運よく波長の合う使者と巡り合い盟約することができた者はSクラスに移り、
    戦闘訓練を含め、合体に関するより実践的な知識を学ぶことになる。

    春、入学式を目前に控えたある日。
    入学前の説明のため、そしてある特別な儀式のため集められた定理者の卵たる彼女たちは、
    期待と不安に胸をときめかせ、口々に
    「テトラヘヴンの素敵な神様に出会えないかしら」
    「モノリウムの野性的な使者様と合体してみたい」
    「ジスフィアの陰陽師サマとか、神秘的でよくない?」
    などなど、にぎやかに話をしているが―そんな空気もどこ吹く風とばかり。

    手元に何やら怪しげな機械をいじっては、
    あーでもないこーでもないとブツブツつぶやく少女がいた。正直、ちょっと異様でもある。
    そんな彼女に、また別の少女が声をかけた。

    「万博さん、あなたは相変わらずマイペースですわね」
    声をかけたのは橘弥生。あの立花財閥の娘で、学内でも既に有名人だ。
    一方、声を掛けられた方の少女は
    「あ、やっちゃん。やっちゃんは緊張してるんすか?」
    「別にわたくしは緊張していませんわ。わたくしは既に、盟約者がいますもの。
    でも他の皆は違います。
    盟約者に出会えるかどうかで、今後の人生が変わるかもしれないのです。
    みな不安なのですわ―
    って、小さいころの呼び名で呼ばないでください!」
    「そうっすか? でもまあ、盟約者に会えるかどうか、こればっかりは運だ、
    ってうちの両親も言ってたっす」
    万博の両親は、ALCAの研究者だ。
    定理者でこそないが、門の仕組みやさまざまな異世界との交流、
    逆理領域の成り立ちなどを研究しており、その知識を万博もいろいろ聞いていた。

    「―ま、あたしはちょっと、予約済みなんすけどね」
    「・・・予約? なんですかそれは?」
    それに答える間もなく。
    「次、京橋万博。こちらに来なさい」
    Sクラスの担任となる目つきの鋭い女性―神楽が万博を呼びに来た。
    「はーい!、待ってたっすよ!」

    「春から入学するのはみな、定理者の才能を持つ者たちだ。
    中でも既に盟約者を持つ者は、すぐに私のSクラスで学んでもらう。
    そこで今日、盟約できるか確認するが、万博。君はどの世界の使者を探してみたい?」
    「トリトミーでお願いするっす」
    「ほう、珍しいな。まあ、らしいといえばらしいか」
    トリトミーは、科学技術が超高度に発達した世界。
    そこから来る使者たちは皆、機械でできたロボットやアンドロイド、自律兵器たちだ。
    それだけに、定理者の卵たちの間では「そもそも会話が成り立つのか?」
    「合体したら体が機械になっちゃったりするのではないか?」
    などなど、知りもせずに敬遠する者が多かったのだ。
    「実は、もう相手も見つけてあるっすよ」
    「なんだと?」
    さすがに驚く神楽をよそに、万博はブランクのフォーリナーカードを高く掲げた。

    「ゲートアクセス、トリトミー!」
    声に応じカードが輝くと、宙空に多次元超電子回路の魔法陣が組みあがり、
    異世界・トリトミーへの門が開いた。
    「さあ、約束の時っすよ、セレン!」
    門がいっそうまぶしく輝く。それが収まった時には、盟約室の中はどちらが上とも下ともつかない
    暗く蒼い闇と、煌き走る光の回路に包まれた、サイバースペースになっていた。
    『―全く、マヒロさんは強引ですね』
    落ち着いた声が響く。
    ブロックノイズが固まって、中から現れたのは、
    漆黒のボディを持つ少女型のアンドロイドだ。
    「久しぶりっすね、セレン。1年ぶりっすか?」
    『正確には357日と22時間18分40秒ぶりです』

    そのころ万博は、両親と共にピラリ町に住んでいた。
    オビヒロにあるALCAの研究施設に出勤する両親の後ろに度々ついていっては、
    施設のあちこちに顔を出し、研究員たちにあれやこれや興味の赴くまま質問をして回るのが日課だった。
    そんなある日。
    手に何やら自作の機械を手にした万博は、施設の裏手からどんどん山の方へと分け入っていた。
    「ん~~~~ 確かに反応したっすが・・・・ 方向はこっちでいいはず・・・」
    視線は機械のメーターに落としたまま。何かを探るように、
    機械から突き出したアンテナを左右に振りながら歩いていく。
    と、突然手元からひときわ甲高い音が鳴った。
    「! こっちっすか!?」
    その方向に向け、ぐいとアンテナを差し出す―
    『あ、痛い、です』
    「!!!」
    そこで初めて視線を上げると、
    確かにアンテナの先が見知らぬ少女のお腹をぷにゅっとつついている。
    流石の万博もこれには焦り、
    「ご、ごめんなさいっす!」
    謝ると同時に後ろへ飛び下がる。
    見てみれば、自分と同じぐらいの年恰好、黒髪を後ろで二つに束ねた女の子だ。
    全身黒づくめ、なのは何かそういうファッションなのだろうか。

    「ここらでは見ない顔っすね、観光客さん?それともALCAの職員のご家族っすか?」
    この道はただ山の中に続いていくだけだ。
    何か観光客を呼べそうな施設でもあっただろうか。
    『いえ、その様な所属ではなく―』
    (ピピピピピー!)
    遮るように、機械がさらに音を高める。おかしい。
    確かにすぐ近く、そう、言うなれば目の前ぐらいにパラドクスレベルの主、
    すなわち異世界からの客、『使者』がいるはずなのだ。
    右に向けて(ピピー!)。左に向けて(ピピー!)。
    正面に向けて(ピッピピピピピー!!)。
    『―その装置はなんでしょう?』
    「これすか? あたしが作った、フォーリナーレーダーっす。
    適応した使者でも、その体からはパラドクスレベルが検出できるっす。
    それを感知し強度と方角を示すのがこのメーターで―」
    『なるほど、貴女はこの世界の、使者に関する技術者なのですね』
    「―へ?」
    『―はい?』
    思わずメーターから顔を上げる万博。黒髪の少女と目が合った。
    何か、聞き逃してはならない事を口にしていなかったか?
    その時。手の中のレーダーがいよいよ音を強くすると同時に、じんわりと温かく、いや熱くなって、あちこちから煙を出し始めた。焦げ臭い匂いが漂う。
    「あ、やべ」
    『やべ、とは?』
    それに答える間もなく、フォーリナーレーダーはいつもの様に、爆発した。

    『―はい、私はセレン・リサーチャー013。トリトミーから派遣されました、門の調査分析チームの一人です』
    「本当に?本当すか?本当っすね?やったー!やっぱあたしの理論は間違ってなかったっすー!
    で? で? セレンはどんな能力を持っているんすか? 合体とかできるすか? 調査分析って言ってたっすね、ってことはアンドロイド?機械?体は?今どーなってるんすか?その服は?身に着けているものは?何かアイテムとか持ってるすか?トリトミーはどんな世界すか?物理法則は?地象地形は?天体運航は?生態系は?文化文明は?統治機構は?そもそもどんな使者が」
    『―マヒロさん! 答える暇がありません!』
    洪水の様に流れ出す、万博の質問の嵐。そのひとつひとつに、答えられる範囲でセレンは答えていく。が、一つの回答に二つ、いや三つ、いや五つの疑問が湧くのか、
    万博の疑問と質問は尽きる事が無い。

    『・・・というわけで、こちらの世界に来たのは良いのですが。適応体になると私の分析機器や調査システムは一切使えないようで、正直困っています』
    「なるほどー。使者もタイヘンっすね。あ、でもだから定理者と合体するんすねー」
    『そうなのですか?』
    「異世界から来た使者がそのまま力を発揮できるなら、合体とかしなくてもいいはずっす。
    以前、悪い使者は、戦ったり暴れたり、好きな事するために人間を襲ってはトランスジャックしてたんすね」
    『今は違うのですか?』
    「うちの両親が言うには、トリトミーの技術のおかげで、
    門が偶然開いたりするのをかなり防いでコントロールできるようになったらしいっす。
    だから、悪い奴はそんなにこれなくなったみたいっすよ」
    『なるほど。でも困りました。では私は、どうやって調査を続けたら良いのでしょう』
    「それなら、良いアイデアがあるっすよ」
    そう言って万博は、にかっと笑った。
    それが、今から1年前のことだ。

    盟約室の外から、神楽の声がする。
    「なるほど、お前、既にその使者と出会っていたのか」
    「ふっふっふー このフォーリナーレーダーの輝ける実績、ってやつっすねー!」
    『マヒロさん、まだその危険なレーダーを使っているのですか』
    「もちろん! だーいじょうぶ大丈夫、あの時から常に改良改造をしてるっすからね、
    探知範囲も探知精度も各段にアーップ!
    ・・・ちょっと爆発の頻度もアップしたっすけど・・・ま、しょうがないっすね。
    科学の進歩に爆発は付き物っす」
    『マヒロさん!』
    トリトミーのアンドロイドの中には、人間の様に豊かな表情を見せる者もいる。
    だがセレンはそうではなく、装甲に覆われた頭部が変化することはない。
    が、明滅するアイランプと声の調子が、万博のことを本当に案じているとうかがわせた。
    「さあセレン、約束っすよ!
    あたしはこうして、ちゃーんと定理者になったっす。
    だからだから、あたしと盟約して、まずは合体してもらうっす。
    合体すれば、セレンは自分の調査分析機能をこのセプトピアでも使うことができるはずっす。
    そして思う存分、調査すればいいっす。
    フフフフ、もちろん、あたしもその機能をちょーっと貸してもらってぇ、
    いろいろとぉ、フフ、いろいろーと調べてみたいことが、あるっすよ!!!」
    なぜだろう。
    表情はないのに、トリトミーのアンドロイドには感情はないはずなのに、
    神楽にはその使者が「迷惑だなぁ・・・」と「仕方ないなぁ・・・」で揺れ動いている様に、見えた。
    『了解です。約束ですから。
    フォーリナーカードで呼び出される事は、私の、門を調査しデータを収集するという任務にも好適と言えます。
    ―それに、マヒロさんは放っておくと・・・危険なのではと、判断します。いろいろと』
    「よっしゃーあ!
    じゃ、やるっすよ、セレン!
    あ、あたしのことは、もう呼び捨てでいいっすよ。盟約者なんだから」
    『わかりました、マヒロさん、いえ、マヒロ』
    「あたし京橋万博は、セレン・リサーチャー013にこのロジックを捧げることを誓いますっす!」
    『本機セレン・リサーチャー013は、マヒロ・キョウバシにこのロジックを委託することを承認します』
    「『合体!!』」

    かくして。
    京橋万博は盟約者を得、Sクラスに入学。
    盟約者を持つ定理者としての訓練を始めることになった。
    の、だ、が・・・

    爆音が鳴り響く。
    『マヒロ、たまには自衛機雷ではなく、探査子機も設置してみませんか』
    「おっかしーすねー。
    プローブ出してるつもりなんすが、なーんで機雷になっちゃうんすかねー?」
    今のところ、あまり調査は進んでいない。

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