キャラクター&ストーリー

  •  剣 美親
  •  揺音 玉姫
  •  クロエ・マクスウェル
  •  五六八 葵
  •  揺音 聖那
  •  アシュリー・ブラッドベリ
  •  ジークハルト・クラウス
  •  当麻芽路子
  •  明日葉 学
  •  オルガ・ブレイクチャイルド
  •  七星 縁
  •  ヴェロニカ・アナンコ
  •  ジゼル・サンダース
  •  ニーナ・アレクサンドロヴナ
  •  リオネス・エリストラートヴァ
  •  京橋万博
  •  橘 弥生
  •  森ヶ谷 夕子
ジゼル・サンダース
ジゼル・サンダースじぜる さんだーす
性別 女性
年齢 -
身長/cm 152
体重/kg 39
血液型 AB型
生年月日 6月6日
好きなもの パン。ココア。チョコやケーキなど洋菓子。
嫌いなもの 地味なこと。

ワガママで見栄っ張り、ちょっぴり自己中心的な、
美少女人気アイドル。
人気絶頂の時、定理者の資質に目覚め、
強制招集を受けてしまう。
同じ支局の揺音聖那とは反発し合いながらも、
共に戦ううちに、確かな絆を築いていく。

盟約者フォーリナー

  • 此花咲耶

    此花咲耶

    花を愛するジスフィアの桜の精霊。生命を産む力を持っている。まだ見たことのない美しい花を見ることを夢見ている。

    トランス!

     ジゼル・サンダース & 此花咲耶【後編】

    ジゼル・サンダース & 此花咲耶

    聖那とジゼル。
    向かい合った二人の間に置かれていたのは、所々焼け焦げたように破損した、1枚の透明なカード。
    -ジゼルの、喪われたロジックカードだ。

    「-ごめん」
    絞り出すように一言。言ったきり、うつむく聖那。
    あの時、犯人はアタッシュケースのセキュリティ機構を使い、自爆させた。
    収められていたロジックカードは、この様に見る影もなく破損。
    回収後、これを修復する術はないかと、玉姫を始めナイエン支局のスタッフたちが
    総出で当たってくれたのだが―
    残念ながら、玉姫の盟約者であるトリトミーのキュア・メディスン119による治療も、テトラヘヴンのヴィーナスによる回復も、この傷ついたロジックを修復することはできなかった。

    「・・・・」

    ジゼルは、無言だ。
    無言なのは当然。このロジックが喪われたために、彼女は声を喪ったのだ。

    人気絶頂にして、今こそトップアイドルの座に就こうとした時に定理者の資質が開花してしまい、そのまま強制招集を受けたジゼル。
    今、平和になったこの世の中でこそアイドルに返り咲き、本来の自分の道を華やかに駆け登っていいはずの彼女。
    だが彼女は、冥府のオーゾとのグロリアストーンをめぐる戦いの中、人々を守るためオーバートランスを決行した聖那を助けるべく、自分もオーバートランスを敢行。聖那を守ることはできたが、自分は1枚のロジックカードを失くしてしまった。
    そのロジックこそ、彼女の「声」のロジック。
    これなくして、彼女が再びアイドルとして舞台に立つことは、もうないだろう。

    無言のまま、手を伸ばして聖那の肩に触れる。
    思わず顔を上げた聖那の前にあったのは、ジゼルの笑顔、だった。

    (見つけてくれてサンキュー)
    (しかたないじゃない)
    (ま、なんとかなるって)

    肩をすくめるようなジェスチャーと、くるくる動くハンドサインでそれだけ伝える。
    そしてジゼルは、くるり体を翻すと部屋を出て行った。

    「・・・・」

    一緒に死線をくぐってきた相棒だ。
    聖那にはあれが、懸命に作り出した笑顔だという事ぐらい、わかっていた。
    わかっているからこそ、追いかけられない。
    と、その時。
    聖那の新しいフォーリナーカード―懍玲と盟約後にあつらえたものが、光り輝いた。

    そのころ、ジゼルは一人、夕焼けの見えるバルコニーにたたずんでいた。
    (さすがにこれは・・・しんどいな)
    今まで、どんな苦境、運命のいたずらであろうとも、屈せず戦ってきた自負がある。
    恵まれていたとは言えない家庭環境も、デビューしてからの衝突や軋轢も、全部自分の実力で黙らせてやった。
    定理者に「させられて」しまったのは正直閉口したし、あの最後のライブ以降に組んでいたツアーの計画が全部パーになったのは許せなかったが・・・逆に言えば、「元」定理者なんて肩書を持ったアイドルはいない。オンリーワンだ。これを武器に、返り咲いたら必ずナンバーワンになってやる。
    そう、思っていたの、だが。

    ちょっと泣きそうだったが、泣いてやるのは悔しいので。
    近くに、心配して八雷神が来ているのもわかっていたので。
    泣く代わりに、思いっきり叫んでやった― 声は出ないんだけど。

    だんだんだん!
    そこへ、騒がしい足音とともに、駆け込んできた者たちがいた。
    もちろん、こんな時にこんな騒がしい奴は、あいつしかいない。
    相棒の、聖那だ。

    「ジゼル! あんたのロジックカード、治るかもしれない!」

    ほら、なんとかなるじゃない? 相棒のことは、少しだけ、信頼している。

    場所を移して盟約室。
    部屋がジスフィアの荘厳な風景に変わると、そこに現れたのは巨大な桜の樹。
    風が舞い、桜吹雪の中、ひと柱の女性が進み出てきた。

    『初めまして、私が此花咲耶です』

    まさしく桜の精、といった風情の、美しい女性だった。
    儚げな微笑み。たおやかな所作。
    みれば、彼女の周囲では常に花が咲き、散り、再び咲いている。
    (-! 私としたことが、女の美しさに目を奪われるなんて!)
    流石はジスフィアの女神。ちょっと気を引き締める。
    そして喋れないジゼルの代わりに、八雷神が望みを伝える。
    『-というわけで、貴女の生命を産む力で、なんとか彼女のロジックを修復していただきたいのです』
    此花咲耶は、柔らかな微笑みを浮かべながら、言った。
    『確かに、わたくしの力ならば、それはできるかもしれません』
    『では、お願いします、なんとか、彼女を助けていただきたい!』
    『・・・八雷神、貴方には、私の山をひとつ焼かれたことがあったわね』
    『! た、確かに。しかしあれは、ずいぶん昔の話というか、若気の至りというか、・・・あ、謝ったではありませんか!』
    一部始終を見守る聖那や阿修羅、懍玲、そしてキョウト支局の定理者、使者スタッフたち一同が思わずぎょっとする。
    いつも穏やかで冷静、知的で執事の様な佇まいの八雷神に、そんな過去があろうとは。
    『まあ、俺が闘神、争いの神であったように、熱と炎、雷の神である八雷神も、もとはと言えばけっこうやんちゃな方だったからなぁ』
    此花咲耶は笑みを浮かべたまま答える。

    『そうですね、まあ確かに、昔の話、ですし。
    神の昔の行状をほじくり返して人にご迷惑をかける、というのもジスフィアの神格としてどうかと思いますし、ね。いいでしょう、そのお話、お引き受けいたします』
    ほっとした空気が流れた、その次の瞬間。

    『ただし、一つだけ条件を付けさせていただきます。
    -花を。
    わたくしが見たことのないような、美しい花を、見せてくださいまし』

    早速。
    キョウト支局、そして連絡の行ったALCAナイエン支局、あるいは有志の定理者・使者・スタッフたちが、様々な花の写真、動画、データを送ってきてくれた。
    例えば、セプトピアでも高山の片隅に咲くという雪割草。
    モノリウムの生命力を代表するかのような、力強い大輪の薔薇。
    テトラヘヴンの神の果樹園に数百年に一度咲くという桃の花。
    トリトミーからは、「計算上、最も数学的に美しいとされる曲線の組み合わせで作った」花の画像なんてものまで送られてきた。
    だがそのいずれを見ても、此花咲耶は
    『ええ、美しいですね。でも、そのぐらいならわたくし、どこかで見たことがありますわ』
    と言い、首を縦にはふらなかった。

    『ええい、此花咲耶姫よ、この黄龍が末裔、竜媛皇珠小玲も頭を下げる。
    なんとか、助けてやってはくれぬか』
    『こたびのこと、わらわの力足らずが故でもある。この懍玲も、どうかお頼み申しあげる』
    『なあ、頼むぜ咲耶、俺にできることなら、なんでもするからよ』
    『私の過去が許せぬというなら、この私を罰していただきたい、彼女にはなんの咎もないことではないですか!』
    桜の木の下、何人何柱もの使者が訪れた。
    そのいずれにも、此花咲耶は柔らかい笑みをたたえたまま―
    『なるほど、あのジゼルという娘は、ずいぶんみなに慕われているようですね』
    首をかしげると、笑顔のまま、言った。
    『しかし、あなたたちも忘れているのでは?
    神というのは、人に恩恵を与えるだけの存在ではありません。時には試練を、与えるものですよ』

    花、花、花。
    植木鉢や花壇、生木や花束、さらに大判に刷り出された写真や投影されたデータにいたるまで。
    キョウト支局の盟約室は、ありとあらゆる花々で埋め尽くされていた。
    そのどれもが、ジゼルの「声」の復活を願って送られてきたものだという。
    部屋の隅で膝を抱えていたジゼルの視界に、またひとつ花輪が運び込まれてきた。

    ―祈 ジゼルさん復活 ジゼル・サンダース ファンクラブ一同より

    どこからか、今回の騒動が漏れたらしい。
    未だに活動を維持しているという、彼女の私設ファンクラブから送られてきた花輪だった。

    (・・・まったく。わかった。わかりましたよ)
    声にならない声で、そう、つぶやくと。
    ジゼルは花輪に手を伸ばし、一輪引き抜いて自分の髪に挿した。

    盟約室を起動させると、再び桜の木の下に此花咲耶がいる。
    『おや、今度はその挿した花が、私にみせたいものですか?』
    いいえ、とばかりに首をふる。
    自前の端末を取り出すと、曲を選んで再生。音量を最大にセット。
    指を揃えて突き出す。
    勝負を挑む。
    『まあ! これは楽しみです』
    曲が流れだした。
    ジゼル・サンダース、最大のヒット曲。
    あのスタジアムでかけた、最高のダンスナンバー。
    アイドルを休業させられた時からも、一日だって自主トレをさぼったことはない。
    一挙一動、頭のてっぺんから指先の端の端に至るまで、全身の神経に気を入れてコントロール。
    思い描く表現をなぞっていく。

    一曲、踊り通した。

    『-これが、貴女の見せたい、花ですか?』
    声が出ないから、せめて視線で答える。
    これが私。
    ジゼル・サンダースという、花。
    (どう? 此花咲耶!)
    『ふふっ、ありがとう、素敵な花を見せていただきました。
    ですがこれは未完成』
    (そうね)
    『本来なら、これに貴女の歌が、つくのですよね―
    ええ、わたくしもそれが、見たくなりました』
    ついと伸ばす手が、ジゼルの手を取った。
    『いいでしょう、ジゼル・サンダース。
    わたくし此花咲耶が、貴女の花を、もう一度咲かせてみせましょう』

    かくして。
    此花咲耶はジゼルと盟約を結ぶと、合体し、傷ついたロジックカードを取り込んだうえで、
    彼女の声を取り戻す事を約束した。
    『でもジゼルさん、今までと同じ声に戻る、というわけではありません。
    この傷ついたロジックを元に、私の力で、もう一度、声を「産みなおす」のです。
    種から芽が出て花を咲かせるように、もう一度。
    だから元通りになる、とは限りません。
    どんな花が咲くかは、貴女次第です』
    (それでいいわ。どんな声でも私の声だもの。もう一度、咲かせてみせる。
    アイドル、ジゼル・サンダースの花をね!!)

    数か月後。
    アイドル兼定理者として活躍するジゼル・サンダースの復活ライブが開かれ、多くの観客が彼女の復帰を祝った。
    職務上の事故で歌えなくなったのでは、と心配されていた彼女だが、それは杞憂であった。
    音楽関係者によれば、復帰後の彼女の歌声は、以前よりもさらに力強くかつ繊細で色気があり、
    一言で言うと「華がある」、とのことだ。

    定理者のカード 使者のカード 合理体のカード

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  • 八雷神

    八雷神

    ジスフィアからやってきた、ジゼルの盟約者。
    周囲からは『ヤクサ』と略称で呼ばれる。
    ジゼルをお嬢様扱いして跪き、
    彼女の指示に従うような関係性を保っている。
    八つの雷神(大雷、火雷、黒雷、柝雷、若雷、土雷、鳴雷、伏雷)の能力を持つ。

    トランス!

     ジゼル・サンダース & 八雷神

    家出少女ジゼル

    ジゼル・サンダースがALCAキョウト支局に配属され、数週間が経った。

    ジゼルの教育係に任命された揺音聖那は、
    いつまで経っても定理者としての自覚を持とうとしないジゼルに愛想が尽きかけていた。

    「もういい加減、ローカルアイドルだった頃は忘れなさい!」

    いつもであれば「はいはい」と聞き流すのだが、『ローカルアイドル』というフレーズがジゼルの逆鱗に触れた。

    「ローカルアイドルですって……?
    もうすぐ全国区のアイドルになれたのにあんたらが無理やり辞めさせたんでしょ!?」

    それからここに書き記すのも見苦しい罵り合いが展開され、この日の研修は2人の猛喧嘩で幕を閉じた。

    その後も怒りが収まらないジゼルは、施設からの脱走を決意する。

    研修期間中、キョウト支局内の一室に監禁状態にいたジゼルだったが、言葉巧みに局員を一人、また一人と籠絡し、ついに施設外へと出ることに成功する。

    だが、そこからが手詰まりだった。

    施設の周辺は馴染のない土地であるのに加え、研修が終わるまで私物など全てALCAに一時保管されていたためジゼルはお金も持っていなかった。

    あっという間に行き場を失い、ジゼルはキョウト支局から数キロ離れた公園でブランコに揺られ途方に暮れていた。
    「ここでしたか」と柔らかな声が聞こえ、顔を上げるとジゼルの盟約者・八雷神が笑顔で彼女を見つめていた。

    「……帰らないわよ」

    ジゼルは、八雷神を見るなり冷たく言い放った。
    八雷神は微笑んだままだ。
    ジゼルの盟約者となってから、八雷神はまるでジゼルの従順な執事のようだった。

    この時も、八雷神はジゼルの前にひざまずくと、そっと手を差し伸ばし、言った。
    『せっかく外に出たんですから、この辺りをご案内しましょう。
    ジゼルさんはまだここの土地柄に不慣れでしょう』

    そんな八雷神の優しい言葉にグッとくるジゼルだったが、表面に出る態度は素直なものではなかった。

    「……勝手にすれば」

    ジゼルは素っ気なくつぶやいて、ブランコから降りて歩き出した。
    こうして八雷神のキョウト案内が始まった。

    『あそこがキョウト支局から一番近いコンビニです』

    「あ、そう」

    『あの神社に祀られている神は、ジスフィアにいた頃の私の友人です』

    「聞いてない」

    『この辺りは猫が多いんです。私も時折エサをあげています』

    「私は猫より犬が好き」

    八雷神のガイドにも、ジゼルの態度は素っ気ないままだったが、そのうち八雷神は軽快なメロディが聞こえていることに気づいた。
    ジゼルの鼻歌だった。

    なんだかんだ言って楽しんでいる――
    それがわかると、八雷神は思わず微笑んだ。

    キョウト支局に戻ると、心配した聖那が前で待っていた。

    勝手に出て行ったジゼルを叱るつもりであったが、ジゼルを背負って帰ってきた八雷神を見るとその気は失せてしまった。

    ジゼルは八雷神の背中で、子供のような寝顔で眠っていた。

    「……八雷神も振り回されて大変ね」

    聖那は溜息混じりでねぎらいの言葉をかける。

    『いえ、私の大切な盟約者ですから』

    八雷神は微笑んで施設の中へと入っていった。

    その時、ジゼルの口から「ありがとう……」と聞こえた。

    見るとジゼルは目を閉じたままだった。

    それが、寝言だったのか、目を覚ましていたのか、八雷神はわからなかった。

    定理者のカード 使者のカード 合理体のカード

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